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イワナ料理のレシピ集

神前樹

※アイキャッチ画像は仙川さんによる写真ACからの写真です。

【もくじ】
1 非常に貴重なイワナ
2 高級食材イワナ
3 イワナ料理とは
 3-1 唐揚げ
 3-2 南蛮漬け
 3-3 イワナ汁
 3-4 刺身
4 記録級の大型イワナは美味しくない?!
5 まとめ

 

1 非常に貴重なイワナ

日本在来種のトラウトの中でも、とりわけ数が少ないイワナ。実際にまだ釣ったことがなくて、憧れているアングラーも多いのではないでしょうか?

1.1 最上流エリアに住む”源流魚”

本州にもともと生息する、アマゴやヤマメなどに比べても、特に絶対数の少ないイワナ。アマゴやヤマメもお世辞にもたくさんいるとは言えませんが、イワナほど数が少なくはありません。

また、絶対数の少ない大きな理由の1つとして、イワナの生息域が源流域であることにあります。アマゴやヤマメも渓流の上流部に生息していますが、それらのエリアのさらに上流、水が途切れ途切れになってしまっているほどの源流域がイワナの主な生息域です。トラウト類の中でも最上流エリアに棲む魚なのです。

1.2 他のトラウトと綺麗に棲み分けている

アマゴやヤマメと、イワナが同じ河川に生息している場合は、最上流エリアがイワナの生息域、滝や堰など、あるエリアを堺に下流域がアマゴやヤマメの生息域をなっており、綺麗に住み分けがされています。

1.3 混生した場合は負けてしまう

SATO3さんによる写真ACからの写真

基本的に同じエリアで共存していることはほとんどありません。例えば人為的に養殖のアマゴをイワナの生息域に放流した場合などは、イワナが生存競争に負けてしまい、そのエリアからいなくなってしまいます。

実際に、近年はイワナの生息域にアマゴやヤマメを放流してしまい、そのエリアからイワナがいなくなってしまうような事態がたくさん発生しています。

 

2 高級食材イワナ

kacchin66さんによる写真ACからの写真

釣り人にとってそれだけ貴重な存在であるイワナ。それは食用においても同様で、イワナは食用としても貴重な存在として重宝されています。

2.1 非常に高額に取引されることも

特に、天然物の個体は継続的に入手するのは非常に難しく、貴重さゆえに高額に取引されることも少なくありません。
しかし、最近はイワナを取り扱う養殖業者が増え、比較的簡単に、以前よりも安価に入手することが可能になりました。

 

3 イワナ料理とは

SATO3さんによる写真ACからの写真

イワナ料理と言っても、イワナを食べたことがない方がほとんどだと思います。実際に、スーパーマーケットはもちろん、魚屋さんなどでもほとんど見かけることのない魚です。まさに自分で釣らないと食べることができないと言っても大げさではないでしょう。

こちらではそんなイワナに適した料理を数品ご紹介したいと思います。

 

1 唐揚げ

イワナは骨がそれほど硬い魚ではないため、唐揚げにすると身のフワフワさを保ったまま、骨まで食べられるように調理することが可能です。主に、小型のイワナに適した調理法と言えます。

〜調理法〜

1. イワナに軽く塩をして、片栗粉を薄く馴染ませて160°ほどの油で7〜8分ほど揚げます。

2. イワナは骨が柔らかい魚なので、揚げすぎに注意。レモン、ポン酢でいただくのがオススメ。

〜ワンポイントアドバイス〜
釣りたてをすぐに調理してしまうと、皮が破けたり、全体的に反り返ってしまったりしやすいので、冷蔵庫で1日ほど寝かして調理するようにしましょう。

 

2 南蛮漬け

唐揚げと同じく、骨や頭など、全身を余すことなく食べることができる調理法です。こちらも唐揚げと同じで、比較的に可食部の少ない小型のイワナに非常に適した調理法です。

〜調理法〜

1. まずはタレを作ります。酢大さじ5、砂糖大さじ2.5、醤油大さじ2を混ぜ、レンジで少し加熱してバットに移しておきます。

2. 下処理をしたイワナに小麦粉をまぶし、160°前後の油で7〜8分ほど揚げます。

3. 揚げたアジをすぐにタレの入ったバットに移し、赤唐辛子、オニオンスライス、人参ジュリアン等を馴染ませ、30分ほど置いたら完成です。

〜ワンポイントアドバイス〜
南蛮漬けといえば、小アジなどで作る料理のイメージが強いですが、イワナにもとても良く合います。イワナは小アジに比べて骨が柔らかいため、揚げる時間、タレに漬ける時間は小アジの半分程度でOKです。

 

3 イワナ汁

味噌汁にイワナを入れるだけのとても簡単な料理ですが、質素ながら、イワナの味を存分に味わえるとても贅沢な料理です。

〜調理法〜

1. 鍋に水を入れて火にかけ、下処理をしたイワナをブツ切りにして入れる。沸騰してきたら、浮いてきたアクを取り除き、塩を少し加えて弱火でさらに30分ほど煮る。

2. 30分たったらさらにもう1度アクをとり、味見をしながらながら味噌のみで味をつけます。イワナが少なく、出汁があまり出ていない場合は、顆粒の和風出汁などを足して味をつけましょう。

3. 具は小口ネギのみで十分ですが、お好みでナスや山菜を入れるのみオススメです。タマネギなど、味が強く出てしまう具材を入れるのは避けましょう。

〜ワンポイントアドバイス〜
イワナの味をより濃くするために、刺身などにして余った中骨や頭があれば一緒に入れましょう。2〜3人前を作るのに、15㎝ほどのイワナが3匹あれば出汁を足さなくていいほどのしっかりと味をつけることができます。

 

4 刺身

イワナを刺身にする場合、少し大きな個体を釣る必要があります。具体的には最低でも22~23㎝以上は欲しいところです。

SATO3さんによる写真ACからの写真

〜調理法〜

1. 下処理したイワナを三枚おろしにします。痩せた魚や小さな魚は味が良くないだけではなく、三枚おろしすら難しいので、複数品調理する場合は、刺身には最もコンディションのいい個体を使うようにしましょう。なお、ヌメリが強く残っている場合は、少し塩でヌメリをとってからさばき始めましょう。

2. 中骨をおろして皮を引きます。魚が小さいので、皮を引く作業は非常に楽ですが、中骨をおろす際に身を大きく削いでしまいがちなので注意してゆっくりと作業しましょう。

3. あとは好みの大きさにカットするだけです。小さ過ぎると味も食感も良くわからないので、大きめにカットするのがオススメです。

〜ワンポイントアドバイス〜
イワナに限らず、淡水魚を生で食べる場合は、寄生虫対策の意味もかねて冷凍するのがオススメです。解凍時はいきなり常温に出すのではなく、冷蔵庫に移して時間をかけて解凍することで、身質が低下するのを防ぐことができます。

 

5 記録級の大型イワナは美味しくない?!

イワナは最大で50cm近いサイズに成長します。もちろん、そう簡単に釣れるサイズではありませんが、もしそんなサイズの大物が釣れたら喜びもひとしおでしょう。

しかし、それほどのサイズのイワナはあまり食べるのに適していないとされています。これはイワナに限った話ではありません。

基本的にどんな魚でも、最大級に近い大型個体は老魚にあたり、身の締まりなどが若魚に比べて劣り、あまり美味しくないとされています。

特に、イワナは老化が顕著に出やすく、寄生虫のリスクも高まるので、記録級の大物が釣れても、写真撮影だけしてそっと逃してあげるのがオススメです。

 

まとめ

こちらでは比較的簡単なイワナ料理を数品ご紹介させていただきました。サイズによっては、ニジマスやブラウントラウトに用いられる、ムニエルなどの洋食もよく合うので、ぜひ挑戦してみてください。

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