長野県雑魚川でのイワナ釣り テンカラ王子の全国旅【1/47】
こちらはつりチケ事業に参画する小林が全国を営業で回わるかたわら地域の素晴らしい川を紹介していく連載です。
志賀高原漁協 雑魚川とは
ちょうど一月前の4月16日に長野県は志賀高原漁協さんの雑魚川にお邪魔し、テンカラで釣ってまいりました。
雑魚川は現在一切の放流無く、魚たちが自然繁殖している全国的にも珍しい川です。
既に川での釣りをされている方なら、これがどれほど珍しいことかお分かりになるかと思います。
※ちなみに義務放流は産卵床の造成のみ!
そう書くと全く人の手が入っていない魚の楽園、源流域の様なイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかしかつての雑魚川では開発と共に、川に人の手が入り、魚が激減。
歴代漁協組合長以下組合の管理と監視のもとで資源を回復してきた経緯があります。
雑魚川はむちゃくちゃ熱い想いと行動によって、今の川になっています。
簡単な説明はコチラから。
http://www.shinmai.co.jp/feature/olympic/butai/butai43.htm
リンク先:信濃毎日新聞「四季五輪の舞台」から
詳しく知りたい方は「人に逆らっても自然には逆らうな」という本を手にとって見て下さい。
※といいつつ、天下のアマゾンでも商品がヒットせず。。。「丸の池ホテル」に宿泊するとフロントスペースで借りて読むことができます^^;
雑魚川の渓相
さすが志賀高原!
まだまだスキー場も営業中なだけあって、このときはまだまだ残雪が残っていました。
川脇は残雪を踏みしめ、プチ雪山登山気分を楽しめました。
胸丈ほどに深い場所もあれば、河床が浅く踝ほどのところもあり変化に富んでいます。
川幅は広い所で約10m程、狭いところでは半分の5mほどでした。
よく岩があり、魚が隠れるポイントも多そうです。
ただ、川幅が狭い、深い淵があるなど本流沿いを終始釣り上がるのは厳しいです。
場所によっては迂回し、上流部へ出る必要があります。
残雪期だったこともあり、比較的キャスティングもしやすく快適な釣行でした。
雑魚川 イワナGET
午前1時間、午後3時間で結果3匹の魚が遊んでくれました!
一匹目は雪代が多く、川中央部は全くテンカラに適さない箇所。
本来であればポイントである岩も全て水が越してしまっている状況。
対岸の溜まりや、流れが分かれ穏やかな流れとなっているところをみつけ、できるだけポイントを細分化しながらキャスティングを繰り返します。
水温もかなり低く、ラインが張って毛鉤が浮いてこないように流れと共に竿を動かすことに気をつけます。
川の上流部から、川脇の石の肩に向けてギリギリまで流し・・・
一匹ゲット!
やっぱり天然モノはかっこいい!!
さらに、本流から流れが分かれ脇に流れる緩やかな流れの先。
流れの中に底石があるのを見つけ、底石の1m上から流すと・・・
もう一匹ゲット!
オチビサイズですが、自分の見立て通りに出てくれると嬉しいものです^^;
残雪期雑魚川の入渓ポイント
一つ入渓ポイントを紹介したいと思います。
丁度この赤矢印の元の当たりが、奥志賀高原のバス停となっています。
その脇から、ブッシュを避け雪の斜面を下りていきます。
降りた先は、等高線のとおり比較的平地が続き釣りやすくなっています。
漁協の方々もアクセスの良さからここから川の様子をみることが多いそうです。
グーグルMAPも併せて貼っておきます。
雑魚川 残雪期ならではの注意点
クレバスにご注意
もともと「つりチケ」の営業で訪問していたこともあり、漁協の組合員の方に釣りポイントを案内してもらっていました。
そのとき突然、衝撃とともに眼の前が真っ暗に。。。
はい、クレバス?に落ちました。
見た目には全く分かりませんでした。
※写真左側の穴です。右側の白い部分が組合員の方が歩いた跡
「後ろついてこんから~(笑)」
という組合員の方に事情を聞くと、夏場穴が空いている場所は特段深くなっているそう。
穴の写真を取ってみると、確かに深い。
見にくいですが、小木が雪をちょろっと載せているだけの状況でした。
2人がかりで引き上げてもらいましたが、一人だったらと思うとぞっとします。
「単独行を避けること」という、登山の鉄則が身にしみます。
川を渡らない方がいい
この時期は短時間で川の水位が変化することも多いそうです。
白熱し、対岸に渡ったはいいものの帰ってこれずにえらい遠回りをするはめになる方もいるそう。
地元組合員の方は対岸に渡る気がないので、長靴でしか釣りをしないとも^^;
この時期は無用に対岸側へ渡らない方がよさそうですね。
※道路からアクセスし、対岸の意味
テンカラ道具立て
ライン
ヤマトヨ レベルライン 3.5号
竿
天平テンカラ
毛鉤
#14 2.5ミリのタングステンヘッド付き
志賀高原漁協の情報
遊漁券
日券 500円
えっ?一日券の遊漁券が・・・500円!?ワンコインです。
素晴らしい川で一日遊ばしてもらって、500円なら安いですね~
体長制限
全長20cm以下は釣ってはならない ※20cm含む
です。
悲しいことに、先行者のうちびくの中に20cm以下の小さなイワナを携えている人もいました。
先々も、書きましたが今この雑魚川が豊かな川になったのは地元漁協を始めとする、雑魚川を良くしたいという方々のたゆまぬ努力があったからです。
以前こんな話があったそうです。
禁漁期に密漁していた釣り客が、当時の組合長であった山本氏に見つかり
「お金を払えばいいでしょ?」
と一言。
組合長は抱卵していた個体の腹をさばき卵数を数えてもらった所1000粒ほどあったそう。(数えた根気もすごいですが)
「これの8割が成魚になったとして、一匹ずついくらかで売れるとするといったいいくら払うつもりだ」
と聞いたそうです。
自分たちの子を自分たちが生まれた川で産み、またその子どもが・・・
当たり前だけど、この貴重な川で今後も大切に遊そばしてもらいたいと思います。