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イワナの渓で泣き尺イワナ!庄川水系へのテンカラ釣行

中田 北斗

こんにちは、つりチケマガジンライターの中田です。
今回は、富山県の庄川水系の川へ、テンカラ釣りに出掛けてきました。

普段は、釣り人を悩ませる賢いイワナを相手にすることが多いですが、今回は久々に無垢なイワナとも戯れることができました。
少し秋も感じられる気温にも一時期なりましたが、再び夏の陽気が戻った日の釣行をお伝えしていきます。

禁漁まで1ヶ月

いつの間にか9月に入ってしまい、禁漁までわずか一ヶ月。
早く渓流へ行かなければ禁漁になり釣りがお預けになってしまうと思い、仕事の切れ間を見て前日に釣行へ行こうと決めました。

行こうと考えていた川はありましたが、アブが出る川だということを直前に思い出しました。
8月以降はアブが多くなる川も多く、アブの出ない場所を選ばなければなりません。
慌てて違う川にしようと、急遽グーグルで調べて、9月の釣行記録が確認できる川を選びました。
あのまま何も考えずに出発していると、アブ取り囲まれるところでした。危ない危ない…

目標の場所までは2時間半ほどで、現在時刻は22:00。
寝てから車を出すか、現地へ着いてから車内で仮眠するかで悩みましたが、自分の最近の寝坊体質を考えると、先に出たほうがいいと結論付け、急いで準備。
「竿、ウェーダー、渓流シューズ、道具ボックス、バッグ…」とりあえず準備が必要な道具を車へと移して出発します。

今回向かうのは、庄川水系の川。
途中のコンビニで遊漁券を購入し、そのまま峠道へ入って、渓流の目の前で車中泊という算段です。
コンビニで遊漁券を売っている漁協は、前日の夜から山へ入っても気兼ねなく行動できるのがいいところ。
もっとも、つりチケがあれば、遊漁券を購入しに行く必要もないのですが…

車中泊からの満点の星空

到着予定の時刻は午前1:00。
運転中、眠気に襲われないように、途中のコンビニでアイスコーヒーとチョコモナカジャンボを購入し、リフレッシュしながら移動します。

峠道に入ると、何やら獣の気配が多く、度々野生動物を見かけました。
キツネ、タヌキ、カモシカ、ウサギと全部で10匹くらいは見かけたでしょうか。
こんな日は、野生動物と接触しないように、ゆっくり目のスピードで走ります。
ゆっくり走っているときの獣との出会いは面白いものがありますが、速いスピードで走っているときの遭遇は勘弁してほしいものです。

いよいよ、目的の川へ着き、川沿いの道路を走ります。
途中から、道がかなり荒れてきたので、私の車では無理しないほうがいいと考え、開けたところへと車を停めました。
停車してヘッドライトを消し、ふと空を見上げると、とてもキレイな星空。
しばらく眺めていると、流れ星もたくさんみることができました。
ボーッと星空を眺めるというのもいいものだなぁと。

コンデジしか持ち合わせていなかったので、キレイに撮れませんでした。
一眼レフがあればもっとキレイに撮れるのですが、渓流釣りには一眼レフは重くてかさ張るので最近は使用していません。

とりあえず、準備もそこそこに出発したので、4:30に目覚ましをセット。
早い目に起き、準備をして夜明けとともに釣りを開始する算段です。

強めの風

朝は目覚まし時計通りに目覚めることができました。
9月にも入ると4:30では暗く、まだまだ釣りはできない状態。
コンビニで買っておいたパンを食べてから、薄暗い中ゆっくりと車を奥へと走らせます。
しばらく川を眺めながら走っていると、良さげな入渓ポイントを見つけたので、車を停めました。

釣り道具の準備を始めて、しばらくすると日が昇ってきました。
朝から気温が高くなるかな?と思っていましたが、長袖で丁度いい気温。
木陰に入って釣りができれば、日中の暑さも大丈夫そうです。

ただ、本日は風が強く、キャスティングは難しそう…
そのため、今回は、レベルラインは3.0号でセッティング。
川をみると、頭上は開けていたので、竿は4.0mとしました。

■本日の仕掛け
竿:鬼竿 TYPE-I 4.0m
ライン:鬼流テンカラレベルライン 3.0m
ハリス:バウオエクスレッド 4lb 80cm
毛鉤:#8 キジ逆さ毛鉤

トロ場での爆釣

今回は、入渓ポイントはすぐ近くで、車から30秒で入渓完了。
足元も良く、これだけ条件がいいとあまり釣れないかなと思った部分もありました。
ですが、川をじっと眺めると、流れの緩いトロ場には数匹のイワナが見えていい感じ。

すっと毛鉤を静かに打つと、すぐに小ぶりのイワナが反応。
幸先よく、一投目で掛けることができました。

それほどではない大きさのイワナだったので、リリースしましたが、もう一度同じ流れを見てみると、まだまだイワナが泳いでいます。
どうやら、このトロ場にはかなりのイワナがいるようで、目に見えるイワナだけでも10匹ほど確認できます。
もう一度毛鉤を打つと、数匹のイワナには無視されましたが、またすぐにイワナが掛かりました。

かなりいい型だったので、尺(30cm)あるかな?と思ったのですが、残念ながら29cm。
残念とはいいつつも、いきなりの好釣果に、気持ちが良くなりました。

その後も、数匹のイワナが掛かり、1つのポイントで10匹ほど掛けました。
これだけ無垢に毛鉤に反応してくれるイワナは久しぶりで、気持ちが良かったです。
しかし、流石に同じポイントで何度もイワナを掛けると、反応してくれなくなったので移動します。

緩い流れが今日のポイント

ポイントを移動して、ゆっくりと釣り上がっていきますが、ここで少し違和感を覚えます。
イワナは岩陰や反転流などについている場合が多いのですが、今回はそれらのポイントでは全く反応がありませんでした。
しかし、イワナが反応するのは、開けた緩い流れのみ。

少し早い流れにはいませんし、狭い範囲の緩い流れでは全く反応がありませんでした。
季節柄か、はたまた放流魚なのかはわかりませんが、特殊な状況だったと思います。

2時間ほど釣り上がると堰堤まで詰め上がったので、来た道をもどり、違うポイントへと移動しました。

砂防堰堤だらけの源流域

続いて、もっと源流へと行ってみようと思い、林道の限界まで車を走らせます。
道中はかなり道が荒れていて、私の車で移動できるか微妙なところでしたが、なんとか底もすらずに移動できました。

旧林道のような道が先に続いており、倒木などで覆われた道が続く。
探り探りあるいて行き、笹ヤブの生い茂る斜面を下って、源流域へと入ります。
すると、小さな砂防堰堤(さぼうえんてい)があり、ポイントになっていました。

源流域ではあったのですが、思ったほどの反応はなく、イワナは毛鉤を見切ります。
なんとか小さなイワナは掛けましたが、良型の反応は掛けられず。

なんだかなぁ…と思ったのですが、もう少し上に上がれば釣れるかもと思ってしまうのが釣り人。
3~4mほどの砂防堰堤でしたが、高巻きをする必要があったので、巻道を探して更に上流へと詰めます。
ようやく高巻きを終え、釣りを再開できたと思ったのに、しばらく行くとまた堰堤。
いくら堰堤を越えてもすぐに堰堤が現れます。

堰堤があっても、魚が釣れれば疲れも吹っ飛びますが、ポツリポツリとしか釣れません。
「この堰堤を越えてもダメなら見切りをつけて引き返そう」と決め、堰堤を乗り越えます。

ですが、しばらく進むとまた堰堤。
最後に一匹、意地でも掛けてやると思い、竿を伸ばします。
堰堤前には木が生い茂っていたので、引っ掛けないように注意しながら、キャスティングをしました。

堰堤を左から順番に丁寧に打っていき、徐々に右側へと毛鉤を入れていきます。
そして最後に、右端の岩のエグレ近くに毛鉤を入れると、ラインが止まりました。

「ようやく出た!」と思い、合わせると今日1番の引き。
グググーっと走られてしまい、堰堤の白泡の下へと潜られます。
危うくハリスを切られてしまうところでしたが、竿を横にして引きずり出し、なんとか最後に28cmのイワナを釣り上げられました。

何度も何度も高巻きを繰り返したので、いつもよりも体力を消耗してしまい疲れたので、12:00過ぎではありましたが、本日はここで納竿としました。

今年は、あと1度釣行ができるかどうかというところですが、今から来年の渓流が楽しみでなりません。
秋色に染まったアマゴやヤマメを釣りたいとも思っているので、次の機会があればイワナではなくアマゴやヤマメのいる川へと出掛けたいですね。

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