岐阜県/石徹白川でのテンカラ釣行
こんにちは、つりチケマガジンライターの中田です。
6月に入り、夏のような天気が続く日も多くなってきて、涼しい山の渓に逃げたくなる今日このごろ。
さて、今回は標高700m標高に位置する、岐阜県の石徹白川(いとしろがわ)へとテンカラ釣りに行ってきました。
早朝は、まだまだフリースのような防寒着が必要な石徹白地区ですが、どのような釣行になったか、河川の紹介と釣行の様子をお伝えします。
石徹白川はどんな川?
石徹白川は、岐阜県の白鳥町(しろとりちょう)にある、標高700m囲まれた石徹白という集落に沿って流れる九頭竜川水系の河川です。
富士山、立山と並び日本三大霊山の一つに数えられる「白山」から流れる川の一つ。
奥深い山々から流れ出る石徹白川の本流は、豊富な水量と美しい水質で、渓流釣りのメッカとしてもよく知られています。
また、石徹白川の支流の「峠川」は、C&R(キャッチ・アンド・リリース)区間が設定されており、エサ釣りは禁止。
毛鉤やルアーのみが使用でき、使用できるフックは、シングルフックのバーブレスのみとなっています。
峠川では、C&R区間の設置以降着実にイワナの数が増えており、C&R区間へ足を運べば魚の反応をみることができるでしょう。
石徹白川で釣れる魚
石徹白川では、イワナ、ヤマメが生息しています。
特に、イワナは石徹白を原産とするDNAが脈々と受け継がれているということが、調査で判明しており、その遺伝子が放流などで汚染されていません。
そのため、石徹白川ではこの地固有のイワナと出会うことが可能です。
また、尺を超えるイワナも多く生息しており、石徹白川では尺イワナを釣り上げることも夢ではありません。
石徹白川の遊漁料
石徹白川は、岐阜県と福井県をまたぐ河川となっています。
岐阜県川の石徹白漁協共同組合の管轄区域ですが、途中で管轄の漁協が変わり、奥越漁業協同組合が管轄しているため注意してください。
今回は、岐阜県側で釣りを楽しみました。
岐阜県側の石徹白漁協共同組合の管轄区間での遊漁料は日券が1,000円、年券が5,000円。女性は半額です。
現場徴収の場合は、1,000円増しですので注意してください。
東海北陸道から石徹白川にいかれるのであれば、白鳥ICを降りてすぐ近くの「めだか釣具店」で購入するのがわかりやすくておすすめです。
石徹白川本流までの峠道
午前中に仕事を片付ける必要があったため、この日は昼すぎの出発となりました。
東海北陸道をおりて、道中のスーパーで食料などの買い物をすませます。
石徹白の集落には、スーパーやコンビニなどの販売店はないため、峠を超える前に買い物をすませておくのがおすすめです。
しっかりと買い物をすませ、峠へと車を走らせます。
石徹白までの峠は、かなりの急坂、急カーブが多く走行に注意が必要です。
軽自動車であれば、登るのが大変な坂も多く、ゆっくりと走るほうがいいでしょう。
いざ本流へ
午後5時ごろ、石徹白の集落へと到着し、支流の峠川や本流に軽く車を走らせて様子見。
テンカラ釣りや渓流釣りでは入るポイントが重要なので、しっかりと下見をします。
それから、下見をしたあとに入渓点を定めて、本流の目立たないポイントから入渓。
午後5時過ぎからの釣りなので、念のためヘッドライトをカバンに忍ばせてから、川へ藪をかき分けて入っていきます。
5月のはじめにも石徹白川に来ていましたが、そのときよりも水量が落ち着き、まさにテンカラに最適な水量となっていました。
川の雰囲気も良く「今日は出るぞ」という感覚があり、気持ちが高まります。
本日の仕掛け
本日の仕掛けは以下のようなものを使用しました。
テンカラ竿:4.0m
ライン:レベルライン2.5号を3.4m
ハリス:1.2号を60cm
毛鉤:逆さ毛鉤(キジ) #8
石徹白川の本流は、川幅はそれほど広くありません。
そのため、今回のような水量であれば、ウェーディングすればほとんどの場所に毛鉤が届くため、このような長さに設定しています。
テンカラでは毛鉤を正確にポイントへ入れるということが一番大事です。
このことから、キャスティング精度をよりあげるために、このような短めの仕掛けを私は愛用しています。
狙うべきポイントを探る
川に入ると思いの外水温が低く、今日は沈めてしか魚が毛鉤にでないかもしれないなという感覚が。
私は釣行時の最初の30分ほどは、どこに魚がついているのかを探り。
そして、後半は反応が多かったポイントを重点的に攻めて、無駄なキャスティングを省きます。
下流側から順番に、ポイントへと丁寧に毛鉤を打ち込み魚を探していきました。
最初は毛鉤を浮かせて毛鉤を流し、反応がなければ少し沈め、毛鉤に誘いを入れたりしていきます。
そして、釣りをして5分も経っていないぐらいでしょうか。周りよりも少し水深のある流芯の脇でした。
毛鉤を浮かせても反応がなかったので、目標としているポイントから上流の白泡が出ている波に毛鉤をいれて沈めます。
毛鉤がポイントのあたりに差し掛かるとレベルラインがスッと不自然に停止。
グッと合わせを決めると竿先に魚の重みを感じます。
新調したランディングネットに魚を収めると、小ぶりなイワナがこんにちは。
毛鉤を沈めているときは、ラインに出る違和感を目印にすることがほとんど。
そのため、毛鉤を流しているときはレベルラインが張りすぎず、弛みすぎずのテンションを常に調整します。
ラインが、止まったり、走ったりすると魚が毛鉤を咥えている合図です。
この日のポイントは流芯の脇と流れの合流箇所
その後も毛鉤をうち続け、ポイントを絞っていきます。
1時間もしないうちに、5〜6匹ほどのイワナを掛けることができました。
反応のあった箇所のほとんどが水深のある流芯の脇か、流れの合流箇所。
その後は、反応のあったポイントに繰り返し毛鉤を投げ、それ以外の場所は軽く打つだけにしていきます。
反応のあったポイントばかり攻めるだけでは、状況の変化に対応することができません。
時間帯で魚の行動は変わるため、可能性のある場所は回数が少なくてもいいので攻めておくべきです。
逆にこの日に魚の反応が全く無かった場所は、流れが吹き上がっている場所と流れの巻き返しでした。
このような日は、魚の活性はそれほど高くないというのが正直なところでしょうか。
本日一番の魚
ポイントを絞って丁寧に毛鉤を打つことを続けます。
この場所の終わりを告げる堰堤が見えてきて、あたりも薄暗くなってきました。
夕マヅメになるともっと活性が上がると思っていましたが、実際はその逆で、日が沈むと同時に反応が薄くなりました。
水温が低いため、太陽が出ていないと活性が下がるようです。
少し残念に感じていましたが、あと少しなので釣り上がる。
堰堤に差し掛かり、堰堤手前の深場の岩の間に毛鉤を落とします。
ラインが全く流れず、違和感を覚えたためアワセを入れると、今日一番の重み。
待望の尺物かなという重さがあり、少し慌てますが、魚体が見えると尺はなさそう。
落ち着いてランディングネットへと取り込みます。
本日一番の大きなイワナで、ヒレもピンピンのきれいな魚。
写真撮影時に、全く落ち着いてくれない魚だったため、写真に収めるのに時間がかかりました。
ラストは堰堤
堰堤は魚が集まる場所ですが、ここの堰堤は水深が浅くほとんど魚がいません。
そのためあまり期待はしないほうがいいのですが、以前に28cmのいいイワナを掛けていたため、期待が膨らみました。
しかし、堰堤にキャストをしますが反応は乏しく、一度ラインが走りますが、小さなイワナが毛鉤を咥えたのみで、大きな魚を掛けることはできませんでした。
日もくれて、ほとんどラインも見えなくなってきてしまったため、本日は納竿としました。
脱渓ポイントはしっかりと把握していましたが、暗く足元に不安があるので、ヘッドライトを装着して脱渓。
夕マヅメをされるのであれば、必ずヘッドライトは携行するようにしましょう。
今回の反省点
今回の釣行の反省点は、アプローチが少し雑になってしまったかなと思ったところでした。
もう少し、腰をおとして屈んで竿を振れば、もう2、3匹は掛けれたかもしれません。
毛鉤をもっと深く沈められるラインを探せばよかったかな、とも思います。
いくら釣りをしても反省点ばかりがでてくるのがテンカラのおもしろさです。
石徹白川は、民家のすぐ近くで源流のような美しいイワナを釣りあげられるのが魅力。
ぜひ、訪れて見てください。