雪代を釣る in 庄川水系《テンカラの~とvol.17》

田中 五月

この時期特有のテンカラがある。

「雪代を釣る」

 

余りの川の迫力に釣れないと思われがちだが、案外釣れる。

そして、地方によっては「雪代が終わるまで釣りにならない」と川に入らない人が多いので、サイズがいい魚がいる。

きちんと沈めて、正しいポイントをうてば、雪代ゴンゴンの中からガンガン魚を引き抜けて、むしろ楽しい(^^

 

そんな釣りをMasterTenkaraの追加コンテンツにしようとした撮影話が今回のお話。

今回こそ鉄板だ!と自分では思っていたのだが、そうはいかないのがテンカラ撮影の難しさ。

毎度のパターンだ苦笑

 

まず天気が悪かった。五箇山についた時には雨。

晴天の下、ガンガン流れる雪代で釣ることをイメージしていたのに、予報でわかってはいたがいきなり出鼻をくじかれる。

 

それでも、気温はまあまあ高いし、雪代さえあればいいかと予定の撮影ポイントに向かうと、先行者はいるわ、上流のダムで水が止められ、雪代どころか平水レベルという状況。

 

仕方ないのでダム上流でやると、雪代は出ているが、反応が薄い。

 

①そもそも魚が薄い区間である

②雪代だけでなく雨の影響で魚の活性が落ちている

の判断がしにくい。

ダムが放流されるという情報があったため、安全には最大限気をつけながら、再度実績のある下流部に入りなおす。

これなら①の要因は排除できる。先行者がいたとしても、主演は石垣先生だし1人くらいたいした問題ではない。

 

が、まだまだ試練は続く。

予想はしていたが、ずっと何時間も雪代が続いている状態ならばイワナは釣れるのだが、ダム放流で急激に水量が増えた直後の時間帯はだんまりモードに入ってしまう。

時間は残り2時間しかないのに、これは困る(^^;

 

石垣先生とイワナ達が逃げ込んでいるであろう落ち込み下の深みに狙いを定めて、何とか引き出す。

 

その後、残り30分を切ったくらいでようやくイワナが動き出したのがわかってくる。

 

なんとか最低限のものは撮影し、最後の石垣先生の雪代の釣り方コメントも撮って終了。

 

毎回予定通りいかない撮影。

自分達が個人でテンカラに行く時でも予定通りは少ないから、そりゃそうだなのだが、この予定通りいかなさが自然・魚を相手に遊ぶ醍醐味なんでしょうね(^^

 

今回の動画はmaster tenkaraで日本語版を、tenkara from japan で英語版を5月中には追加リリースします。