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まだ見ぬ渓流のポイントへ!藪漕ぎに必要な装備は?注意点も解説

中田 北斗

人の多いハイプレッシャーな釣り場で少しでも釣果をあげようと思ったら、藪漕ぎは必須といってもいいほど重要です。

「藪漕ぎってそもそもなに?」
「藪漕ぎのときってどんな装備が必要?」
「藪漕ぎの注意点を知りたい」

といった方に向けて、藪漕ぎの装備や注意点について詳しく解説していきましょう。

藪漕ぎをしたことがないという人は必見です。

【もくじ】
1 そもそも藪漕ぎとは?
2 藪漕ぎに必要な装備は?
 2.1 長袖・長ズボン
 2.2 手袋
 2.3 虫除けスプレー
 2.4 シンプルなザック
3 藪漕ぎの注意点
4 藪漕ぎで注意したい生き物
5 藪漕ぎは一人では危険!

そもそも藪漕ぎとは?

藪漕ぎとは、茂った草むらをかき分けて進む行為を指します。

人が釣りをしていない秘密のポイントを見つけるためには、藪漕ぎをして新規開拓していくのが一番です。

渓流釣りでは道路近くのポイントではなかなか思ったように釣果はあげられないのが普通です。

魅力的なポイントというのは、人が釣りをしていないところがほとんど。そこで有効になるのが藪漕ぎというわけです。

しかし、茂った草むらをかき分けて、道なき道を行くためにはそれなりの準備をしておかなければいけません。

藪漕ぎの危険性やリスクについても理解して、万全の準備で藪漕ぎに望めるよう準備しておくべきです。

渓流釣りで藪漕ぎをするなら準備しておきたい装備や服装について見ていきましょう。



藪漕ぎに必要な装備は?

FineGraphicsさんによる写真ACからの写真

藪漕ぎに必要な装備は、それほど多くはありません。

基本的には下記のような装備があればいいでしょう。

・長袖・長ズボン
・手袋
・虫除けスプレー
・シンプルなザック

それぞれの装備について順番に解説していきます。

長袖・長ズボン

藪漕ぎをする場合、長袖・長ズボンは必須です。

半袖や半ズボンでの藪漕ぎは、

・草で肌が切れる
・ウルシなどで肌がかぶれる
・虫に刺される

などのリスクを伴います。

そのため、草や虫の攻撃から身を守るためには長袖や長ズボンを着用する必要があるのです。

可能であれば、生地がある程度しっかりとしているものにしておいたほうが防御力が高くおすすめです。生地が薄すぎるとすぐに穴があいてしまう可能性もあるので注意しましょう。

また、渓流釣りの場合は水に濡れる可能性が高いので、速乾性の高い登山ウェアなど化学繊維のものを利用するのがおすすめです。

手袋

藪漕ぎ時は手に怪我をする可能性もあるので手袋をするようにしましょう。

なぜなら、草をかき分ける際に手のひらを切ってしまったり、汚れがついてしまう場合があるからです。

手袋の素材はそこまで気にする必要はありませんが、あまり薄手の物だとすぐに穴があいてしまう可能性があるので注意。

手のひらは革素材など丈夫なものでできているものがおすすめです。

夏場は手のひらだけをカバーする半指タイプもいい選択肢でしょう。

虫除けスプレー

藪漕ぎでは虫の多いところを通るため、虫よけスプレーは必須です。

蚊はもちろんですが、山にはブヨやアブ、マダニなど危険な虫がたくさん生息しています。

そのため藪漕ぎをする際はもちろん、釣りの最中は虫除けスプレーで、虫対策をすることをおすすめします。

刺されたあとでの対応ではもう遅いので、肌が露出しているところやズボンやシャツの裾周りなどは入念に虫除けスプレーをしておきましょう。

これから虫除けを買うのであれば、虫除けに含まれているディートという成分が多い物を購入することをおすすめします。

シンプルなザック

藪漕ぎをする場合、できる限りループやヒモの少ないシンプルなザックを使うようにしましょう。

ヒモやループは、安全な藪漕ぎの妨げになってしまいます。

藪漕ぎでは木の枝や雑草の葉が体にまとわりつきます。そのため、ザックのループやヒモなどは絡まりやすく、藪漕ぎの邪魔になってしまうのです。

ザックに限らず藪漕ぎの際は、できるだけループやヒモなどの突起がないものを選ぶようにしましょう。

最悪の場合、引っかかったループなどが原因で転んでしまったり、怪我をしてしまったりする可能性もあるので気をつけてください。

藪漕ぎの注意点

藪漕ぎでは、茂った草によって視界が悪くなることがほとんどです。

視界が悪いシーンで地形に高低差があると滑ったり、そのまま落ちてしまったりしてしまう可能性もあります。

目の前の景色だけ見ていると、こうした高低差を把握できなくなってしまいますので、時々少し遠くを見るようにしましょう。こうすることで目の前の変化だけで地形を判断しなくなるので、少しは安全性が高まります。

また地形がよくわからない場合は、重心を後ろに残しながらそっと足先で地形を確かめてみるといいでしょう。

倒れた雑草や笹などの葉は大変滑りやすく、転倒の原因となりやすいです。

転倒した瞬間に、木の枝や雑草をギュッと握ってしまって、それが原因で手を切ってしまうことも珍しくありません。

滑りやすい葉を持つ植物がある場合は、足元に注意して歩くよう心がけましょう。

複数人で藪漕ぎをする際には押しのけた木の枝がしなって、後ろを歩いている人に勢いよく飛んで行く場合があります。

そうならないためにも、押しのけた木の枝は丁寧にゆっくりと戻すか、前後の距離を一定以上保ちながら歩くようにしたほうがいいでしょう。

藪漕ぎで注意したい生き物

彫刻家おさむさんによる写真ACからの写真

藪漕ぎでは、舗装された道に比べて生き物の多いところを通ることになります。

そのため、出会いたくない生き物に遭遇してしまうことも多いでしょう。

危険な生き物も多いので、注意したい生き物に対する対策は万全の状態で藪漕ぎに望むようにしたほうがいいでしょう。

藪漕ぎの際に注意しておきたい生物は

・ヘビ
・ハチ
・マダニ

です。

マムシ

藪漕ぎの際に最も出会いたくないのがヘビの「マムシ」です。

マムシに噛まれると最悪の場合、死に至ってしまいます。マムシが隠れているのは落ち葉の多い場所や木や岩の陰など。

そういった場所を通る際には細心の注意をはらって歩くようにしましょう。足を守るために長めの靴を履いておくのも効果的です。

ハチ

ハチはこちらから攻撃しなければ、ハチの方から襲ってくることはめったにありませんが、巣が近くにあるとハチのほうから襲ってくる場合があります。

藪漕ぎの際は視界が悪く周りにハチの巣があるかどうかわかりにくいため、ハチが近くにいるかどうかには常に注意しておかなければなりません。

スズメバチの場合は木の上ではなく、地面に巣を作る場合もあるので厄介です。

複数のハチの羽音が聞こえた場合は、ハチの巣が近くにあると考えたほうがいいでしょう。

そのような場合はハチを刺激しないようにゆっくりと立ち去るのが得策です。

マダニ

最後に注意したいのがマダニです。マダニに噛まれると、感染症を引き起こす可能性があり危険です。

藪漕ぎの際は特にマダニが飛びつくリスクが高いので、長袖・長ズボン+虫除けスプレーで対策する必要があります。

近年はマダニによる感染症の報告数も増えており、死亡例も出ていることから、ちょっとしたレジャーでも気を抜けない存在となっています。

マダニに噛まれてしまった場合は、無理に外そうとはしないでください。

マダニは皮膚に食い込んでいるため、無理に外そうとすると病原体が体内に流入したり、マダニの体が引きちぎれて皮膚の中に残って化膿したりなど、リスクが高くなります。

マダニに噛まれたら病院へ行って取り除いてもらうようにしてくださいね。

藪漕ぎは一人では危険!

ついつい一人でやってしまいがちな藪漕ぎですが、一人では万が一のトラブルがあった際には、助けを呼べないということになりかねません。

人が通る道路の近くであればなんとかなるかもしれませんが、山奥で藪漕ぎをしていた場合は命にも関わってきます。

できるだけ一人での藪漕ぎは避け、複数人でそのような釣行に出かけるようにすることをおすすめします。

(※アイキャッチ画像はよしくさんによる写真ACからの写真です)


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