沢登りをはじめるにはどんな装備が必要?安全に沢を登るために
暑い夏は登山よりも冷たい水とキレイな緑に囲まれた沢登りが最高です。
実は沢登りは多くの方が思っているよりも敷居は高くはありません。沢登りは難しそうと考えている方も、この夏から沢登りをはじめてはみませんか?
今回は沢登りをはじめるために必要な装備や道具について解説していきましょう。
これから沢登りを始めたいという方や沢登りに興味があるという方は必見です。
1 沢登りとは?
2 沢登りに必要な装備は?
2.1 沢靴・沢タビ
2.2 ウェットゲーター
2.3 手袋
2.4 化学繊維のウェア
2.5 防水バッグ
2.6 レインウェア
3 難易度が高い沢にはもっと装備が必要
4 不安ならガイドツアーに参加しよう
沢登りとは?
沢登りは文字通り渓流を歩いて登るアクティビティです。
渓流域の冷たい水に浸かることから、暑い夏に最適。沢登りは水の中を歩くこともあり、地形によっては川を泳ぐこともあります。
緑とキレイな水に囲まれた渓流はとても気持ちがいいものです。
沢登りは整備された道を歩くシーンが少なく、自然によって作られた地形を歩いていく点で登山と比べて大きく異なります。
登山に比べて全身を使って道なき道を歩いていくため、大変ではありますが変化が大きく、沢登りでしか味わえない醍醐味があります。
はじめての沢登りは帰る頃にはヘトヘトになってしまうかもしれませんが、なんとも言えない清々しい気持ちになることでしょう。
沢登りに必要な装備は?
Photo by Jon Asato on Unsplash
沢登りには専用の装備が多く必要です。
沢登りでは水に濡れるのを前提で行動するため、沢登では専用の装備を装着することも多く、これまで登山をやっていたという方でもある程度装備を整える必要があります。
とはいえ、登山と共通で利用できるものもあるので、登山経験者の方はある程度初期費用を抑えられます。
初級者向けのかんたんな沢登りであれば、下記のような装備があれば沢登りを楽しめます。
・ウェットゲーター
・手袋
・化学繊維のウェア
・防水バッグ
・レインウェア
順番に解説していきましょう。
沢靴・沢タビ
沢登りで最も必要なのが沢靴や沢タビです。
水の中にある石や岩は、コケなどが付着しておりとても滑りやすく、通常のスニーカーや長靴、登山靴ではまともに歩けないほど。
そこで使用するのが沢靴や沢タビです。
沢靴や沢タビは、そこがフェルトや沢登り専用のゴムソールでできており、滑りやすいコケのついた岩場でも滑りにくくなっています。
フェルト素材のソールを備えたものは、ぬめりのあるところに強く、乾いた岩場に弱いという特徴があります。
反対に、ゴムソールのものは乾いた岩場に強く、ぬめりのあるところに弱いという特徴があります。
ソールの種類は、沢に合わせて選ぶのがベストですが、はじめて沢靴や沢タビを購入するのであればフェルトソールがシーンを選ばないのでおすすめです。
また、沢靴や沢タビは水抜けがいい構造になっており、水の中に入ったあとでも靴に重さを感じないというメリットがあります。
沢タビは沢靴よりも足の指先に力が入れやすく、踏ん張りがききやすいというメリットがありますが、どちらでも問題ありません。
フィット感が気にいったものを購入するといいでしょう。
ウェットゲーター
ウェットゲーターは冷たい渓流の水から体を保温するために必要です。
渓流の水は夏場でも驚くほど冷たく、何も装着しないまま水に入ってしまうとすぐに体が冷え切ってしまいます。
そのため、膝から下をネオプレンゴムやクロロプレンゴムといったウェットスーツと同じ素材のものでカバーするウェットゲーターを装着するのが一般的です。
ウェットゲーターがあれば、膝より下が冷えすぎるということが少なくなります。また、膝も保護してくれるので、岩に膝をぶつけた際に安心です。
手袋
岩場をよじ登る機会が多い沢登りでは手袋が必須です。
手袋がないと尖った岩などで手を切りやすいので準備しておいたほうがいいでしょう。
高価なものは必要なく、作業用の手袋などでも十分役割をはたしてくれます。素材は化学繊維のものが最適です。軍手は水切れが悪いのであまりおすすめしません。
なお、岩がつかみやすくなる指先が半分のタイプのものもあります。
化学繊維のウェア
沢登りには化学繊維のウェアが最適です。
なぜなら、化学繊維のウェアは速乾性に優れているため、水に濡れる前提の沢登りに適しているからです。
天然素材の綿や麻といった素材は速乾性に乏しく、一度濡れてしまうとずっと濡れたままとなってしまうため、体温を奪う原因となってしまいます。
乾きの早い化学繊維のウェアは、体温を奪う原因となりにくく沢登りには最適です。
夏以外の気温の低い季節は、薄手のネオプレンゴム製のウェアを使用する場合もありますが、気温の高い時期なら化学繊維のウェアを着用していれば問題ないでしょう。
防水バッグ
沢登りでは、荷物も濡れる可能性が高いので、防水性を備えたバッグが必要です。
とはいえ、防水の専用バッグを準備する必要はなく、通常のバックパックの中に防水性を備えたスタッフサックや厚手のビニール袋を入れておくだけでも問題ありません。
防水性のスタッフサックを利用するほうが手軽で確実なので、沢登り初心者の方は既製品を利用するといいでしょう。
ビニール袋を利用する場合は、破れてしまう可能性も考え2重にするなどをしておくのがベストです。既製品と比べるとしっかりと口を閉じていないと中身が濡れてしまう可能性もあるのでその点には注意が必要です。
レインウェア
沢登りをするような山は、天気が変わりやすく突然雨が降ることも珍しくありません。
雨が降った際にレインウェアを着用できなければ、急激に体温を奪われてしまいます。
そもそも沢登りでは下半身が冷えやすいため、上半身が濡れてしまうと低体温症になりかねません。
そのため、レインウェアはバックパックの中に入れておくようにしましょう。
レインウェアは上下が別れているセパレートタイプのものを使用するのが基本です。
また、沢登りの場合岩に擦れる可能性が高いため、軽量で薄手のレインウェアは破れてしまう可能性が高いので注意が必要です。
擦れに強いしっかりとしたレインウェアを利用するようにしましょう。
難易度が高い沢にはもっと装備が必要
先程紹介した道具は、あくまで初心者でも登れる沢で必要な道具となります。
難易度の高い沢になると、さらに装備が必要になり、それらの装備を使いこなすだけの技術も必要となるのでグンと敷居が高くなります。
上級者向けの沢で必要になるのは
・スリング
・カラビナ
・ロープ
など、滝や崖を登ったり降りたりするために必要なクライミングの道具がほとんどです。
このような装備が必要となる沢登りは大変危険を伴うので、初心者だけでは出掛けないようにしましょう。
まずは、初級者向けの沢で沢登りに慣れ、その上でクライミングの安全講習などを受けて知識と技術を身につけてから上級者向けの沢に望むようにしましょう。
不安ならガイドツアーに参加しよう
登山に比べて、沢登りはまだまだ一般的ではありません。
必要な装備や道具を知ったとしても、いきなり初心者だけではじめるというのはなかなか勇気がいりますよね。
そんなときに最適なのが、沢登りのベテランに同行してもらいながら学ぶ沢登りのガイドツアーです。
ガイドツアーならはじめてであっても注意点などについて教えてもらいながら楽しめますし、何より安全です。
ガイドツアーは、登山用品店などにもパンフレットがおいてある場合が多いので、最寄りの登山用品店に行ってみるのがいいでしょう。
沢登りとセットで渓流釣りを楽しむのもとてもおすすめなので、この夏は是非沢登りにチャレンジしてみてください。