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ヤマメ・アマゴの生息地はどこ?サクラマスとサツキマスとの関係は?

中田 北斗

「ヤマメとアマゴどう違うの?」図鑑などを見ていてもよく分からないヤマメとアマゴの違い。

確かに見た目はほとんど同じで、なかなか区別がつきませんよね。

「ヤマメやアマゴはどんなところに生息しているの?」
「生態の違いは?見分け方は?」

といった方のために、今回はヤマメとアマゴの生態や生息地の違いについて紹介していきましょう。

この記事さえ読めば、ヤマメとアマゴの違いがはっきりと分かるようになりますよ。

ヤマメとアマゴの違いは?

ヤマメとアマゴはどちらもサケ科の魚です。

ヤマメとアマゴの違いは一体どういったところにあるのでしょうか。

外見的な特徴で言えば、体の側面にある朱点があるかどうかが大きな違いとなってきます。

ヤマメとアマゴのどちらにも、体の側面に似たようなパーマークと呼ばれる模様が入っていますが、この中に直径1mm程度の赤い点が入っていなければ「ヤマメ」、入っていれば「アマゴ」と判別できます。

■ヤマメ:朱点がない

山女魚くんさんによる写真ACからの写真

■アマゴ:朱点がある

Half Beansさんによる写真ACからの写真

どちらも最大で40cm程度まで成長します。

ヤマメ・アマゴは共に食性も似通っており、どちらも肉食で昆虫や小魚などを主に捕食。その獰猛な食性から、釣りの対象として人気で、全国の河川で養殖や放流が行われています。

ヤマメとアマゴの生息地

ヤマメとアマゴは、どちらも河川の上流域に生息します。

いわゆる渓流域での生息が主で、同じ渓流魚であるイワナとも生息域は重なりますが、ヤマメ・アマゴはイワナほど上流域では生息できません。

ミー★さんによる写真ACからの写真

外見的な特徴が似通っているヤマメとアマゴですが、生息する河川が異なります。

ヤマメは「日本海側に注ぐ河川」と「太平洋側に注ぐ東日本の河川」に主に生息し、反対にアマゴは「太平洋側に注ぐ西日本の河川」に生息しています。

ヤマメとアマゴが同じ河川に混生することは自然界では基本的にありませんが、無差別な放流がされた時期があり、ヤマメの河川にアマゴが生息していたり、アマゴの河川にヤマメが生息していたりする場合があります。

そういった河川ではヤマメとアマゴが交雑した個体が生息する場合も珍しくなく、生態的にもよく似ているヤマメやアマゴは自然界で交雑してしまうのです。

現在では無差別な放流はあまりされなくなりましたが、そういった時代があったのも確かな事実です。



ヤマメ・アマゴは海に降ると名前が変わる

ヤマメ・アマゴは、陸封型(りくふうがた)と呼ばれ、海へと降らずに一生を河川で過ごす個体を指します。

一方で、川で生まれ海へと降るタイプの個体を降海型(こうかいがた)と呼びますが、ヤマメ・アマゴが降海すると「サクラマス」や「サツキマス」といった名前に変わるのが特徴です。

降海型のタイプは、淡水から海水へ順応するためにスモルト化と呼ばれる変化をし、パーマークが消え銀色に見た目が大きく変わります。

ヤマメ・アマゴが、なぜ陸封型と降海型に分かれるのかについては、地形的な問題と生存競争の2つが要因となります。

ダムなどによって、物理的に海へと降れない河川の場合、ヤマメやアマゴは強制的に陸封型となります。

また、河川で生まれてから、エサ取りの競争に勝てなかった個体はエサを食べるために仕方なく海へと降るのが特徴です。

川に残ったヤマメ・アマゴは、そのまま川で一生を過ごしますが、降海していたサクラマス・サツキマスの個体が川へ産卵に戻ってきた際には、産卵活動に参加することでも知られています。

ヤマメとサクラマス

SATO3さんによる写真ACからの写真

ヤマメが海へと降った個体がサクラマスです。

婚姻色がきれいな桜色をしていることからサクラマスと呼ばれます。

海へと降ったサクラマスは、4月から6月ごろに産卵のために河川を上りはじめ、9~10月に産卵します。

陸封型のヤマメよりも大きくなり、最大で70cmほどになるので、ゲームフィッシングの対象として熱狂的な人気を誇りますが、産卵のため川を遡上するサクラマスはほとんどエサを食べないため釣るのはかんたんではありません。

アマゴとサツキマス

アマゴの降海型がサツキマスです。

5月ごろに産卵のための遡上をし始める特徴から、サツキマスと呼ばれるようになったようです。

サクラマスと基本的には同じような性質をもっており、4~6月頃に遡上しはじめ、9~10月に産卵します。

遡上しはじめたサツキマスは、9月まではエサを食べますが、9月以降は抱卵した卵によって腹部が圧迫され、エサを食べなくなってしまいます。

大きさに関して、サツキマスはサクラマスよりも小さく、最大でも50cmほどとされています。

サクラマスよりも生息域が狭いこともあり、サツキマスを釣り上げるのはサクラマスよりもさらに難しくなるでしょう。

ヤマメとアマゴを釣るには?

Fururunさんによる写真ACからの写真

ヤマメ・アマゴは

  • エサ釣り
  • ルアー
  • フライフィッシング
  • テンカラ

といった釣法で釣ることができます。

エサ釣りであれば、ミミズ、ブドウ虫、イクラなどをエサに使えば釣ることはそれほど難しくありません。

ルアーでは、小型のミノーやスプーン、スピナーなどがよく使用されます。

フライフィッシングやテンカラでは、小型のドライフライやウェットフライであれば問題なく釣れるでしょう。

管理釣り場

ヤマメ・アマゴを釣るのに最適なのが管理釣り場です。

管理釣り場では、初心者や子供であってもかんたんに魚を釣り上げられるので、最もかんたんにヤマメやアマゴに出会えるでしょう。

また、管理釣り場には、釣った魚を調理してもらえたり、自分でさばける施設が併設されている場合があり、釣った魚を食べられるというメリットもあります。

普段スーパーではなかなか目にすることのないヤマメやアマゴを美味しく食べられるので、家族や友人とぜひ訪れてみてください。

渓流・源流の河川

管理釣り場では満足できないという方におすすめなのが、天然河川での釣りです。

天然河川では管理釣り場よりも釣り自体は難しくなってしまいますが、渓流独特の美しい河川を楽しめる上、管理釣り場よりもきれいな魚体のヤマメ・アマゴに出会えます。

天然河川でのヤマメ・アマゴ釣りは、本格的に釣りをしたい人におすすめです。

手ぶらでも釣りに行ける管理釣り場とはことなり、天然河川での釣りは危険を伴います。

場所によっては、大きな岩をよじ登ったり、川をあるいて渡らなければならない場合もあるので、相応の準備が必要となってきます。

天然河川で釣りをするのであれば、しっかりと装備や注意点について調べた上で出かけるようにしてください。

また、一部の河川を除き、ヤマメ・アマゴの場合は河川の管轄をする漁協から「遊漁券」を購入する必要があるので注意しましょう。

「遊漁券」は、漁協の事務所や河川周辺のコンビニ、個人商店などで購入が可能です。

遊漁券が必要な河川で、遊漁券を購入せずに釣りをするのは「密漁」となってしまうので注意しましょう。

「遊漁券」の購入費は、ヤマメ・アマゴの養殖・放流を行う漁協の活動に必要なものですので、いつまでも渓流釣りを楽しむためにも必ず購入するようにしてください。

ヤマメ・アマゴの遊漁券はつりチケで

ヤマメ・アマゴの遊漁券を購入するにはもっと便利な方法があります。

それが「つりチケ」です。

「つりチケ」は、スマホで遊漁券が購入できるスマホアプリで、時間帯や場所を問わず遊漁券を購入できるのが特徴。

店舗で遊漁券を購入する必要がないので、遊漁券売り場を探し回るなんてこともなくなります。

また、河川の状況などもアプリで確認できるため、釣り人にとって強力な味方となってくれます。

これからはじめてヤマメ・アマゴを釣りに行く人も、ベテランの渓流釣り師のどちらにもおすすめできるアプリです。

ヤマメ・アマゴどっちかな?と思ったら

ヤマメやアマゴが釣れた際に、どっちかな?と思ったら、体の側面にある赤い小さな点を確認しましょう。

  • 朱点があればアマゴ
  • 朱点がなければヤマメ

これだけではっきりとわかります。

ヤマメ・アマゴの生息地は放流の関係で曖昧になっている面もあるので、魚体の外観で判別するのが一番です。