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渓流で遊漁券がいらない川と必要な川の違いは?渓流でのルール

中田 北斗

渓流釣りをこれからはじめるという方は、渓流釣りの独特なルールである「遊漁券」の存在を理解しておかなければいけません。

「遊漁券ってなに?」
「遊漁券が必要な川と必要ない川はなにが違うの?」
「遊漁券はどこで買うの?」

といった疑問をお持ちの方に向けて、遊漁券について詳しく紹介していきます。
これから渓流釣りをはじめたいという方は渓流のルールについてしっかり把握しておきましょう。

そもそも遊漁券とはいったいなに?

遊漁券は河川で釣りをする際に、対象となる魚を釣る場合に必要になる許可証です。
河川ごと、または河川のエリアごとに地元の内水面漁協が管理しており、漁協や釣具店、個人商店などで購入できます。

遊漁券は対象の魚ごとに設けられている場合が多く、同じ河川の同じエリアであっても、別の対象魚を釣る場合は対象魚ごとに遊漁券が必要です。
特にアユと渓流魚(イワナ・ヤマメ・アマゴなど)は、別の遊漁券に設定されている場合が多く、どちらも釣るのであれば遊漁券が2種類必要になるので注意しましょう。

遊漁券には一日だけ有効な「日券」と1シーズン有効な「年券」の2つがあります。
釣行回数の少ない方であれば「日券」で十分ですが、釣行回数が多いのであれば「年券」の方がお得です。「年券」の多くは5回前後で元が取れるような価格設定が多いので、いつも同じ川へ釣りにいくのであれば利用をおすすめします。

遊漁券にはその漁協ごとにルールがあり、中には漁の方法まで定められているものもあります。ルールに従って釣りをするようにしてください。

ここまで読んだ方の中には「海では遊漁券が必要な場所なんてないのに、なぜ渓流では遊漁券が必要なの?」と思われる方もいるかもしれません。
そういった方のために、次の章では遊漁券が必要な理由について紹介していきましょう。

渓流は管理がなければ魚がいなくなる

ei-miさんによる写真ACからの写真

渓流では人の管理がないと「魚がいなくなる」という問題があります。
その問題を解決するために生まれたシステムが「漁協」と「遊漁券」です。

なぜ海では遊漁券が不要で、渓流では遊漁券が必要なのか解説していきましょう。

渓流は海とは違い魚の数が少ない

渓流は海とは比べ物にならないほど狭く小さな環境です。
そのため、渓流に住む魚は海に比べてとても少なく、釣り人が釣り上げてしまうとすぐに川から魚がいなくなってしまいます。

渓流の場合、魚が潜める場所も海に比べて少なく、釣り人に釣り上げられやすいのも魚がいなくなりやすい理由の一つと言えるかもしれません。
そのため、漁協が養殖や放流をしなければ、釣り人が釣りを楽しめなくなってしまうのです。

砂防ダムの増加で渓流魚の自然産卵は困難に

昔よりも、渓流魚の生育環境が悪くなっているのも、漁協が必要な理由の一つになっています。

砂防ダムが増加し、渓流魚が産卵をする砂利などが少なくなって、渓流魚は産卵をできなくなってきています。
渓流魚が隠れる大きな岩が砂防ダムの建造により撤去されてしまったのも、渓流魚にとってよくありません。

このような理由により、渓流魚の生活環境や自然産卵の環境が悪化し、渓流魚が自然に増加しにくくなっています。

養殖・放流にはコストが掛かる

漁協が養殖・放流をしなければ、川から魚がいなくなってしまうことがわかりました。

しかし、漁協が「養殖・放流」の活動を行うためにはコストが掛かってしまいます。
そこで生まれたのが「遊漁券」というシステムです。

釣り人である我々が「遊漁券」を購入したお金は、漁協が「養殖・放流」をする活動資金となっています。
ここで覚えておきたいのは、多くの漁協は「養殖・放流」の活動が赤字運営になっているということです。

漁協がなくなってしまうと「養殖・放流」がされなくなってしまい、魚は減るばかりとなるはずです。
遊漁券が必要な河川では「釣りを楽しむ環境を守るため」にも、遊漁券を購入するようにしましょう。

遊漁券が必要ない河川は魚が少ない場合が多い

遊漁券が必要ない川では、渓流魚などの対象魚の数は少ない傾向にあります。
理由はここまで解説してきた通りで、漁協による「養殖・放流」がされていないからです。

遊漁券が必要ない川の多くは、漁協が管理できないほどの山奥や釣り人が少なすぎる地域の場合がほとんど。
遊漁券が不要でたくさん釣れる河川は、見つけるのが難しく、知っている人は口外しないことがほとんどです。

遊漁券が必要かどうかの見分け方は?

toyaさんによる写真ACからの写真

遊漁券が必要かどうか見分けるには、インターネットで河川名を検索するのが最もお手軽です。
「河川名 遊漁券」などで検索すれば、多くの場合漁協のホームページがヒットします。
そこから、遊漁券の情報をチェックすれば内容を把握できるはずです。

現地で確かめる方法もありますが、あまりおすすめはできません。
河川によっては「遊漁券が必要です」といった看板が立てかけられている場合もありますが看板がない河川もあるので注意。
もし知らずに釣りをしていたとしても、巡回している監視員の方から「現場徴収券」を購入すれば問題ありません。「現場徴収券」は通常の遊漁券よりも割高です。

気持ちよく釣りをするためには、事前に調べておいて遊漁券を購入したいところです。

遊漁券の価格・有効期間はどれくらい?

遊漁券は、対象となる魚種に対して、価格と期間が異なります。
漁協によって、価格や期間は異なりますが、おおよその傾向があるので、紹介しておきましょう。

渓流魚の遊漁券の価格・有効期間

渓流魚の対象となるのはイワナ・ヤマメ・アマゴ・ニジマスなど。
対象の河川によってはその他の外来種などが含まれるかもしれません。

渓流魚の有効期限は3月初旬から9月の末ごろまで。それ以外は禁漁となっています。

渓流魚の日券は1000~2000円程度
年券は5000~10000円程度

となっています。

アユの遊漁券の価格・有効期間

アユの遊漁券の有効期間は6月末ごろから11月末ごろまで。

アユの日券は1000~3000円程度
年券は5000~15000円程度

と渓流魚よりも少し金額が高くなっています。

雑魚の遊漁券の価格・有効期間

雑魚は魚種の幅が広く、コイやフナなどが含まれる場合が多いです。
渓流魚も雑魚に含まれる場合も漁協によってはあります。

日券は1000円前後
年券は3000円前後

であることが多いでしょう。

遊漁券の購入方法

はじめて渓流釣りに出かける際に気になるのが、遊漁券の購入先。
遊漁券が購入できるところは

  • 漁協
  • 釣具店
  • 個人商店
  • コンビニ

などです。
基本的に店先に「遊漁券取り扱い」の看板が置いてあります。
どの魚種の遊漁券がほしいかや日券、年券などを伝えれば準備してくれるはずです。

遊漁券の購入必要な場合は「つりチケ」が最適

「遊漁券の購入は面倒そう…」そう感じた方に最適なのが、スマホやパソコンで遊漁券が購入できる「つりチケ」です。
スマホやパソコンで購入したら、遊漁券を印刷するだけで渓流釣りができます。

遊漁券の販売店が遠回りだったり、早朝から釣りをしたりしたい場合に最適です。
つりチケが対応している漁協はこちらから確認できます。

遊漁券の必要・不必要に関わらずマナーを守った釣りを

ここまで、遊漁券について詳しく解説してきました。
しかし、遊漁券の必要・不必要に関わらずマナーを守った釣りをするのが釣り人の努めです。
どのような河川で釣りをする場合であっても、ゴミは持ち帰り、自然を大切にして、いつまでも楽しく釣りができる環境を維持するようにしましょう。