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ブラウントラウトのさばき方

神前樹

ブラウントラウトって美味しいの?ヨーロッパでは高級魚?

ルアーフィッシングやフライフィッシングのターゲットとして世界的に有名なブラウントラウト。
ヨーロッパが原産地ですが、現在は世界中に外来種として定着している魚で、日本でも釣りのターゲットとして親しまれています。

関東以北では管理釣り場はもちろん、野生化したブラウントラウトが自然繁殖している河川も多く、一度は釣ったことがある方も多いはずです。

そんなブラウントラウトですが、食べても美味しい食用魚であることをご存知でしょうか?同じく外来種でトラウトのニジマスと比べると、食用魚として影は薄く、日本ではあまり知られていませんよね。

実はフランスを主に、原産地のヨーロッパではニジマスよりも高価な、一般的に”高級魚”と言えるほどの価格帯で取引されることも多く、星がつくレストランで扱われることもあるほどです。

ここではそんな日本ではあまり馴染みのないブラウントラウトの正しいさばき方、美味しく食べるための処理方法や持ち帰り方についてもご紹介したいと思います。

【もくじ】
1 美味しいブラウントラウトの選び方
2 正しいブラウントラウトの下処理方法
3 ブラウントラウトの三枚おろしは簡単
4 ブラウントラウトの中骨の抜き方
5 ブラウントラウトの皮の引き方

 

 

1 最初に…美味しいブラウントラウトの選び方

魚鬼さんによる写真ACからの写真

同じブラウントラウトといえど、よく脂が乗って美味しい個体や、痩せていて身がパサパサな個体まで様々です。
美味しい個体を見分けるコツとして、魚体が綺麗で背中やヒレの付け根が分厚い個体を選ぶようにしましょう。

尾ヒレの付け根が分厚い個体は多少痩せていても、筋肉質でしまりがあって上質な身質をしていることが多いです。
反対によく太っていても、筋肉の少ない個体はあまり身にしまりがありません。
また、ガリガリに痩せた個体や傷だらけの老魚は美味しくないだけではなく、寄生虫のリスクも高まるので注意が必要です。

1.1 血抜きで味が決まります

美味しそうなブラウントラウトが釣れれば、元気なうちに絞めてしまうのが鉄則ですが、その前に絶対飛ばしてはいけないのが血抜きです。

生きているブラウントラウトのエラをナイフで切って、少し水につけておけば勝手に血が抜けていきます。簡単な作業ですが、血を抜かないと魚の味が大きく落ちてしまいます。

エラから血が出なくなってきたらナイフで首の骨を折って絞めて完了です。なお魚が弱っていると血がうまく抜けきらないので、必ず元気な間に血抜きを完了させて絞めてしまいましょう。

1.2 持ち帰り時は水に浸からないようにしましょう

せっかく上手に処理された魚でも、持ち帰り時に魚体が直接水に浸かってしまうと身が水っぽくなってしまいます。
特に首都圏からブラウントラウトを釣りに行っている場合などは、釣り場から家に帰るまでの移動時間も長くなってしまうので注意が必要です。
なお、魚をジップロックに入れるだけで簡単に対策が可能です。

 

 

2 正しいブラウントラウトの下処理方法

魚鬼さんによる写真ACからの写真

家に持って帰ってきたら今度は下処理です。
一般的に、帰ったらすぐにやらなければいけないと思っている方が多いように感じますが、丁寧に処理して持ち帰った場合、魚の水気だけとって冷蔵庫に放り込んでおけば、処理は後日でもさほど味に影響は出ません。

2.1 ウロコ取りは飛ばしてもOKな場合も多い

必要に応じて、内臓を取る前にウロコをとってしまいます。

ブラウントラウトのみならず、マス系の魚全般に多く言えることですが、魚が小さく、ムニエルなど皮面をしっかりと焼いて調理する場合はウロコ取りは飛ばしてしまってもOKです。

反対に、魚が大きい場合、スープ料理などウロコがあると邪魔になってしまう料理の際はしっかりとウロコをとりましょう。

魚が大きな場合は専用のウロコ取りがあると便利です。反対に魚が小さい場合は、包丁の刃先で優しく撫でるようにとってあげると、身を傷つけずに綺麗に取ることができます。金属たわしをウロコ取り代わりに使うのもオススメです。

どんな道具を使う際も、身を傷つけないように優しく作業するようにしましょう。

(最近は様々なタイプのウロコ取りが販売されていますが、もっともシンプルなタイプが作業しやすくおすすめです。)

2.2 正しい内臓の取りかた 水の使いすぎに注意

ウロコが取れれば次は内臓を取ります。まずはエラの付け根を包丁を使って全て外し、ナイフを肛門から入れ、腹を開いてしまいます。その後エラと内臓を一緒にゆっくりと取り出してしまい、中骨添いにある血合いも一緒に洗い流してしまいましょう。

内臓取りを含め、作業中魚に水を当てすぎると身が水っぽくなってしまうため、作業中の水の使用は最低限にとどめましょう。

2.3 釣り場での下処理方法 内臓を取るまでは釣り場で済ませるのが理想

魚鬼さんによる写真ACからの写真

釣り場で少し手間がかかってしまいますが、内臓取りまでは釣り場で済ませてしまうのが理想的です。下処理作業で台所を汚してしまうのを避けられるのはもちろんですが、魚を絞めてすぐに内臓を取ることで、内臓から身に寄生虫が移動するのを防ぐことができます。

ブラウントラウトに限らず、基本的にどんな魚も寄生虫は内臓に多く、それらは宿主の魚の死後、身に移動します。最近ニュースなどでも目にすることが多くなった、サバのアニサキスなどが典型的な例です。

加熱して食べる場合は問題ありませんが、生食する際には寄生虫に注意が必要です。

 

 

3 ブラウントラウトの三枚おろしは簡単です

内臓をとったら下処理は終了です。次に三枚おろしに入るのですが、その前にまな板を一度綺麗に洗い、タオルなどを使ってまな板からも魚からも水気をとりましょう。

まずは頭から落とします。胸びれのある、”カマ”の部分から斜めに包丁を入れて落としましょう。なお切り落とした頭やカマはスープの出汁などに使うことも可能です。

次に腹側から包丁を入れて、中骨に刃先が当たるまで包丁を進めて身を剥がしていきます。背中側からも同じ要領で中骨まで包丁を入れます。その後腹側から中骨と繋がっている腹骨を外す要領で切り離せば一面は完了です。

反対側は中骨を外すだけです。中骨を表向け、その下に包丁を添わせて身を外しましょう。

 

 

4 ブラウントラウトの中骨の抜き方

これでスーパーなどでもよく目にするフィレ状になったブラウントラウトですが、まだ身の丁度真ん中部分、中骨と身が接していたあたりに一直線に小骨が残った状態なので、これらの骨を抜いていく必要があります。

ブラウントラウトはもちろん、トラウト系の魚の中骨は比較的簡単に抜くことができるので、家庭用のピンセットなどでも作業が可能ですが、専用の骨抜きがあるに越したことはありません。

骨を抜く際は、骨の入っている角度に逆らわないように頭側に引っ張ると綺麗に抜けます。

なお、抜く順番も頭側から順番に抜いていくと取りこぼしなく綺麗に抜くことが可能です。

 

 

5 ブラウントラウトの皮の引き方

トラウト類は皮を引く必要のない料理も多いので、これで全ての作業が完了の場合も多いのですが、生食する場合や、皮が不要な料理をする場合はここからさらに皮引き作業が必要です。

皮面をまな板につけ、尻尾側から包丁を噛ませて皮をひっぱていくだけの簡単な作業ですが、少し慣れが必要です。また小さなまな板や、三徳包丁を使っていると綺麗にできないことが多く、刃渡りのある刺身包丁と大きくて綺麗なまな板があれば作業が非常に楽になります。

まとめ

SATO3さんによる写真ACからの写真

以上のように簡単にまとめていますが、実際にブラウントラウトは捌くのが難しい魚ではありません。むしろサイズ的にも魚のシルエット的にも捌きやすい魚なので、これから魚を捌くのを練習する方にももってこいの魚と言えます。

上記でいくつかの調理器具を紹介していますが、ぜひ最初は家庭にある道具で一度始めてみてください。自分で釣って、捌いて、調理した魚の味は格別な味です。

※アイキャッチ画像は、魚鬼さんによる写真ACからの写真です。

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