2019.08.19

ニジマスのさばき方

神前樹

世界中で人気のニジマス

都市近郊の管理釣り場などで簡単に釣れることから人気があるニジマス。

世界的に見ても、ルアーフィッシングやフライフィッシング、エサ釣りなど様々な方法で狙えるゲームフィッシュとして人気の魚です。また食用魚としても親しまれており、世界中のスーパーマーケットや市場でその姿を見ることができます。

日本ではあまり浸透していませんが、欧州や北米においては、カルパッチョやムニエルなど、日常的に食卓に並ぶことの多い魚です。

(イギリス・リヴァプールの市場にて 1匹650円ほどで売られているニジマスの様子。)

今回はそんなニジマスの料理の前の段階、さばき方にフォーカスしてお届けしたいと思います。

ニジマスをさばく前に・・・

もちろんさばき方も重要なのですが、それ以上に重要なのが魚を釣り上げてから家に持って帰ってくるまでの段階です。

この段階で適切な処理、扱いがされていないと、せっかくの新鮮なニジマスの味が大きく落ちてしまうので注意が必要です。

しっかりと血を抜いてから絞めましょう

まずは生きているニジマスのエラと尻尾の骨の上をナイフで傷をつけ、魚をランディングネットなどに入れて水に浸け、血を抜いていきます

魚が呼吸をしたり、エラに水が通ると血が抜けていくので、なるべく魚が元気な段階で血を抜きましょう

その後エラからの出血がなくなってきたら、平らな石の上などでナイフを使って首の骨を折れば完了です。

骨の硬い魚ではないので、関節にナイフの刃先を差し込めば簡単に折れます。

このあと解説するウロコや内臓の処理もこのとき一緒に行った方がいいのですが、時間がない場合でも、最低限この段階まで済ませておかないと魚の味が大きく落ちてしまいます。

持ち帰り時はニジマスに直接水や氷を当てない

持ち帰り時に魚を水につけるのは基本的にNGです。特にニジマスなどの身の柔らかい魚は、水を吸って身がビチャビチャになってしまうので、注意が必要です。

正しい方法としては、魚の水気を一度タオルなどで拭き取り、ビニール袋に入れて直接水や氷がニジマスに当たらないようにしてからクーラーボックスに入れるようにしましょう。

ニジマスの下処理

まな板と出刃包丁(ペティナイフや三徳包丁、サバイバルナイフでも可)を用意します。

平らな所にまな板をおいて、その上で作業を行いましょう。なお、まな板は大きいものを用いると作業がやりやすいです。

そもそもウロコはとらなくてもいい

まずは内臓をとってしまう前にウロコをとるのですが、ニジマス(特に小型)の場合ウロコ取りは飛ばしちゃってOKです。

あまり知られていないのですが、ニジマスなどいわゆるマス類のウロコは非常に小さく、スーパーなどで売られているニジマスの切り身もウロコの処理をしていないものが多いです。

料理方にもよりますが、そもそも皮ごと剥がしてしまうことも多く、また皮付きのまま使う場合は表面をしっかり焼く料理が多いので、そもそもウロコ取りが省かれている場合が多いのです。

もちろん焼きが甘かったりすると、口の中で探せば小さなウロコを感じますので、気になる場合は内臓をとる前にしっかりとウロコを取りましょう。ちなみに筆者もウロコはとる派です。

ウロコのとり方

ウロコのとり方ですが、大型の個体はウロコ取りを使えばOKです。

ただ、ウロコが小さい小型のニジマスに対して日本のウロコ取りはベストな道具とは言えず、身を傷つけてしまう可能性が高いです。

そこでおすすめの方法は、包丁の刃先を身に優しく添わせてウロコを取る方法です。

この方法だと魚の身を傷つけることなく、またウロコの取りこぼしも少ないです。

なお、サバイバルブックなどで瓶の栓やペットボトルのキャップなどを使ってガシガシしてウロコを取る方法が紹介されていますが、どんなに優しくやったところで基本的に身を傷つけてしまう方法なので、あまりおすすめはできません。

内臓の取り方

次に内臓を処理します。簡単なのですが、身の柔らかいニジマスはこの時によく身を傷つけてしまうので、注意してゆっくりと行いましょう。

【内臓の取り方のポイント】

① まず、エラの付け根を全て外して、肛門まで包丁を入れて腹を開きます。

② その後エラ側から肛門側に向けてエラと内臓を一緒にゆっくりと剥がしていきます。

③ 全て剥がし切ったら中骨の手前に血合いがあるので、包丁で切れ目を入れて綺麗に掃除しましょう。これで下処理が全て完了です。

内臓には寄生虫がいることが多いので、釣り場でとってくるのが理想

エラ、内臓取りまでは釣り場でニジマスを絞めてそのまま終わらせてしまうのが理想的です。

基本的にニジマスなどの淡水魚の内臓には寄生虫が多く、それらは魚の死後、内臓から身に移動します。

つまり魚を絞めてすぐに内臓やエラをとってしまえば、大部分の寄生虫が我々が食べる身に移動するのを防ぐことが可能です。

国内で養殖されたニジマスに人体に悪影響を及ぼす寄生虫の心配はほとんどないとされていますが、とはいえリスクはゼロではありませんし、自然河川に放流されて野生化した個体もたくさんいます。

特に画像のような傷の多い老魚は、内臓はもちろん、身にも寄生虫がいる場合が多いので注意が必要です。

それほどたくさんの魚を持ち帰るわけではない場合、下処理を全て釣り場で済ませてから帰宅すれば、寄生虫対策はもちろん、台所を汚すこともありませんし、非常におすすめです。

ニジマスの三枚おろし

ここまでで適切に処理を済ませたニジマス。このまま三枚おろしにしてもいいのですが、タオルで水気をとってから少し冷蔵庫で寝かせると、身がしまっておろしやすくなるのでぜひ実践してみてください。

【三枚おろしのコツ】

① まず、頭を落とします。胸びれのある、いわゆる”カマ”の部分から斜めに包丁を入れましょう。

② 次に、腹ビレ側から包丁を入れ、中骨が刃先に当たるまで包丁を添わせて身を剥がしていきます。

③ 背中側からも同じ要領で中骨まで包丁を添わせます。

④ 腹側から中骨と繋がっている腹骨を外す要領で切り離せば一面は完了です。

⑤ 反対側は中骨を外すだけでOKなので、中骨を表向けてその下に包丁を添わせて身を外しましょう。

中骨を抜く

これでお店で売られているようなフィレ状態になったニジマスですが、これで終了ではありません。

ちょうど身の真ん中あたり(中骨と接していたあたり)に一直線に小骨が並んでいるはずなので、それらを抜いていく必要があります。尻尾の部分まであるわけではないのですが、とはいえ魚体の半分以上に骨があります。

この作業は薬局などで売られているピンセットなどでも可能なのですが、やはり専用の”骨抜き”があると非常にやりやすいです。

なお調理器具を扱うお店や、店舗によってはデパートの調理器具コーナーにも置いてあるので、機会があれば購入することをおすすめします。(300~1500円程度)

ニジマスの皮引き

刺身や寿司にする場合、またその他の調理法でも、魚の皮が嫌いな方は意外と多いので、そういった場合は皮引き(=皮を剥ぐ)をする必要があります。

皮面をまな板につけ、尻尾側から包丁を噛ませて皮をひっぱていくだけなのですが、スペースがなかったり、包丁の刃渡りがないと結構失敗しがちです。

長い刃渡りの柳包丁と大きくてフラットなまな板があれば簡単に成功するので、うまくできなくても気にしなくてOKです。

まとめ


以上がニジマスのさばき方です。特別な技術、道具も必要ありませんし、日本で釣れる個体はサイズ感も大き過ぎず小さ過ぎずでちょうど良く、身が少し柔らかいことを除いてはとても捌きやすい魚なので、魚の捌き方の練習などにもぴったりです。

最後に寄生虫対策として、刺身や寿司、カルパッチョなど、生で食す場合はできれば一度冷凍してから調理することをおすすめします。簡単な一手間ですが、これだけで寄生虫は死んでしまって心配がなくなります。

ニジマス釣りの前に
 -遊漁券の準備について-

川で釣りをする時には、基本的に遊漁券の購入が必要です。
行きたい川が決まったら、「川の名前」と「漁協」で検索、どこの漁協が遊漁券の販売を管轄しているか確認しましょう。

漁協によってはつりチケで遊漁券をWEB販売しているところもあり、パソコンやスマホからその日のうちに購入して利用することができます。

遊漁券を事前に準備しておけば、販売所が開いていない早朝でも、販売所まで遠い山奥の釣りスポットでも、気軽に釣りを楽しめるのでおすすめです。