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ブラックバスの生態系への影響は?生態についても詳しく解説

中田 北斗

こんにちは、つりチケマガジンライターの中田です。

皆さんは、ブラックバスの生態や生態系への影響について、どの程度ご存知でしょうか?

テレビなどでも、ブラックバスの生態系への影響については、よく特集されていた時期もありました。
今やブラックバスは、全都道府県に生息域を広げており、その影響は無視できないものとなっています。

人間の都合で放流されたブラックバスが、在来種へどのような影響を与えているのかについて、お伝えしていきたいと思います。

ブラックバスの生態

ブラックバスは、日本の淡水の生態系へ大きな影響を及ぼすと、テレビなどのメディアを通じて報道される機会も多くあります。

日本は、古来より様々な外来生物が根付いてきた歴史があり、近くの池や川にいる「コイ」のほとんども、海外から入ってきた魚です。
このように日本の在来種と思っている生き物も、長い歴史から見れば、外来種なんてこともよくある話。

ブラックバスは比較的最近日本へと入ってきた生物ですが、生態系への影響が強いと言われています。

ブラックバスの生態系への影響についてお伝えする前に、まずはブラックバスの生態について紹介していきましょう。

ブラックバスの種類

一口にブラックバスと言っても、ブラックバスには3種類が存在しています。

・フロリダラージマウスバス
・ノーザンラージマウスバス
・ノーザンスモールマウスバス

フロリダラージマウスバスとノーザンラージマウスバスは和名をいずれも「オオクチバス」と呼び、ノーザンスモールマウスバスは和名で「コクチバス」と呼ばれています。
フロリダラージマウスバスとノーザンラージマウスバスは、見た目がよく似ており、交雑もするため正確に見分けることは困難です。

↓オオクチバス

引用元:photoAC

↓コクチバス

引用元:pixabay

現在日本では、この3種類をまとめて「ブラックバス」と言います。

成魚の全長は30cm~60cmほどで、サンフィッシュ科に属する肉食の魚です。

ブラックバスの生息域

ブラックバスは主に、湖やため池、河川の中流域から下流域に生息しています。

オオクチバスはあまり冷たい水温を好まず、比較的温暖な水域に生息し、多少濁った水でも問題ありません。

一方で、コクチバスは冷たい水が好みで、水質が透明度の高いところによく生息しています。

ブラックバスの特徴

ブラックバスの特徴は、下記のような特徴を持っています。

・食欲旺盛

ブラックバスがよく食べるものは、小魚、エビ類、カエルやイモリ、水生昆虫など。
食欲が旺盛なブラックバスは、自分よりも小さい魚であれば襲ってしまうほど。
そのため、小型の在来魚は、ブラックバスにとって格好のターゲットとなります。

また、共食いもよくあることで、大きくなったブラックバスは、小型のブラックバスを食べることもあります。

・好奇心旺盛

ブラックバスは、見慣れない物にも恐れずに、近寄って確認する習性があり、場合によっては口に入れてしまうことがあります。

このような好奇心旺盛の性格をしているため、ルアーフィッシングの対象魚として大変な人気を誇っています。

・縄張り意識

ブラックバスは縄張り意識が強く、特に産卵の時期には卵を守るために巣に近づくものはすべて攻撃してしまうほどです。

ブラックバスの産卵

ブラックバスは春に産卵を行います。

ブラックバスは、春に浅瀬へと出てきて、オスが尾ひれを使って砂地や藻のある場所に産卵床を作りメスを呼び込みます。メスは産卵床に一度に2,000~20,000粒程度の卵を産卵。

産卵後、オスのブラックバスは、生まれた稚魚が自力でエサを捕食するまで見守り続けます。

ブラックバスの広がり

ブラックバスが初めて日本に入って来たのは1925年。
赤星鉄馬氏によって、北アメリカから神奈川県の芦ノ湖へ放流されました。
放流した目的は、食用としての繁殖が狙いだったようです。
また、この放流に関しては、政府の許可を取って行われたものということでした。

放流されてからしばらくは、ブラックバスは生息域を広げることはありませんでしたが、1970年代になってから、急速に全国に広がり始めました。

爆発的な生息域の拡大で、今では日本の都道府県すべてでブラックバスの生息が確認されています。
この背景には、ルアーフィッシングのブームなどがあると考えれており、現在ではブラックバスに依存した産業も多くあります。
この爆発的な生息域の拡大は、個人による小規模なものではなく、組織的な「密放流」があったと言わざるを得ないでしょう。

ブラックバスによる在来種への影響

1970年代以降に、急速な生息域の拡大を見せたブラックバスですが、その後も着実に数を増やし、生態系への影響を指摘されるようになりました。
ブラックバスは、口に入る生物であれば何でも口にするほどの食欲と好奇心を持っているため、在来種が捕食されているのは間違いない事実です。

ブラックバスの生態系への影響は広がっており、日本最大の湖である琵琶湖では特に被害が大きいと考えられています。
琵琶湖では、アユ、ビワマス、ホンモロコ、ゲンゴロウブナ、ニゴロブナ、ビワヒガイなどの漁獲量が激減しており、ブラックバスに捕食されたことが原因の一部と考えれています。

このように、食用となる魚をブラックバスが捕食してしまうことが問題となっています。

ブラックバスは食べることも可能なので、持ち帰って食べてしまえばいいのでは?と思われるかもしれません。
しかし、ブラックバスを食べる場合は泥臭い場合が多く、ほとんどの場合で食されることはありません。
このことから、釣った魚を食べるという認識は釣り人には定着しておらず、釣った魚はリリースするという認識が一般的となっています。

在来種保護のための試みが全国各地で行われており、投網や電気ショックなどといった方法でブラックバスを駆除をしています。
しかし、その試みでブラックバスの生息数が減ったにも関わらず、在来種の生息数が回復しない場合があることも確認されています。

その理由として、水辺の護岸工事などが指摘されるようになりました。
護岸工事がなされると、水辺の植物などが生育できなくなり、底の石や砂も無くなってしまいます。
水辺の環境の悪化で、在来種が生育や産卵ができる場所が少なくなり、在来種が生息数を増やせなくなっているというのです。

アシなどの植物が水辺に生えていれば、小魚や水生昆虫などは身をひそめ隠れられますが、
コンクリートで覆われてしまうと隠れる場所も無くなってしまい、これではブラックバスの格好のエサとなってしまいます。
その上、小魚が産卵する場所が無くなってしまうとなれば、在来種が数を減らすというのも頷けます。

また、ブラックバスは水辺の植物がなくても、岩盤や砂地があれば問題なく産卵が可能です。
護岸工事により、在来種は産卵できる場所が減ってしまいますが、ブラックバスの産卵には大きな影響を与えません。
ブラックバスが、その食性により在来種を食べてしまっていることは事実ではありますが、在来種の生息をできない環境にしてしまっているのは、水辺環境の人工化による影響も大きいと言わざるを得ないでしょう。

↓このような水辺環境が失われると小魚が隠れたり産卵できなくなってしまう

引用元:pixabay

ブラックバスは特殊外来生物に指定

そのなんでも食べてしまう食性と驚異的な繁殖力から、現在、ブラックバスは特殊外来生物に指定されており、外来生物法によって下記の5つの行為が禁止されています。

1.飼育
2.運搬
3.売買
4.放流
5.輸入

これらについて違反をしてしまうと、3年以下の懲役、又は300万円以下の罰金と厳しい罰則を受けなければなりません。

注意しなければならないのが「運搬」に当たる部分で、ブラックバスを釣り上げ生きた状態で道路を歩いてしまうと「運搬」に当たってしまいます。ブラックバス釣りを行う方は注意してください。

リリースが条例で禁止されている地域も

ブラックバスのリリースについては、各都道府県の条例などで禁止されている地域もあります。

岩手県、秋田県、宮城県、新潟県、栃木県、群馬県、埼玉県、長野県、山梨県、神奈川県、滋賀県、鳥取県、広島県、佐賀県ではブラックバスのリリースが禁止されています。

滋賀県の琵琶湖では、外来魚回収ボックスなども設置されています。
外来魚回収ボックスに入れられた魚はどうなるの?と不安に思われるかもしれません。
しかし、外来魚回収ボックスに入れられた魚は、肥料などに利用されるのでご安心ください。

ブラックバスを釣る際には、その地域の条例やルールに従って釣りをするようにしてくださいね。

駆除よりも自然環境を整えるべき

先程もお伝えしましたが、ブラックバスを駆除しても、在来種の数が回復しないというデータもあります。
たとえブラックバスの数が減ったとしても、在来種の数が回復しなければ駆除を行う意味がありません。

在来種が数を増やすためには、水辺の環境を整えることが最も大事なはずです。
護岸工事や、水質の汚染、ゴミの問題など、水辺の環境に悪いことはあげればキリがないほど。

私達ができることは、水辺の環境を守るために、水辺の小さなゴミを拾ったりすることや、便利過ぎる生活を望まないことかもしれません。

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