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ニジマスってこんな魚!釣り方と食べ方も紹介

中田 北斗

こんにちは、つりチケマガジンライターの中田です。

ニジマスという魚についてご存知でしょうか?
淡水魚にしては珍しく、スーパーの生鮮コーナーに並んでるのも見かける魚です。
そんな、ニジマスは外来魚だということを知っていますか?

ニジマスがどこからやってきた魚なのかや、釣り方、食べ方などを今回は紹介していきたいと思います。

ニジマスの生態

引用元:pixabay

ニジマスの原産地は、北アメリカです。
アラスカ東部やメキシコ北西部などに元々生息していましたが、今現在では世界中へと生息域を広げています。
ここ日本へも食用のため、明治の初期に芦ノ湖へと放流されました。

ニジマスは、漢字で「虹鱒」と書き、英語でも「レインボートラウト(rainbow trout)」と呼ばれます。
一生を淡水で過ごす、陸封型の「レインボートラウト」と、一度海に降る降海型の「スチールヘッドトラウト(steelhead trout)」が存在します。
レインボートラウトの最大サイズは60cm程度なり、スチールヘッドトラウトは最大で120cmもの大きさに。

この大きさから、いずれのニジマスも釣りの対象となりやすく、世界中でニジマス釣りの愛好家が存在しています。



ニジマスの生息域

ニジマスの生息域は、比較的高地で水温の低い湖や渓流域などに生息。
他のマス・サケ科の魚よりも、高水温でも生息できることから、様々な水域に適応が可能です。

イワナやヤマメといった日本在来の渓流魚と比べると、流れの緩いところを好みます。
ゆったりとした流れの場所を泳いでいることが多く、養殖にも強い流れを作る必要がありません。
このような、生育環境とニジマスの身が美味なことから、養殖が盛んに行われています。

ニジマスの成長

ニジマスは、生後2~3年で産卵できる大きさに成長します。
産卵期は、11月~3月とされていますが、自然環境で繁殖している個体に関しては4月~6月に産卵する場合が多いようです。

生まれて1年目の幼魚のころには、ヤマメやアマゴによく似たパーマークがあり、成魚のニジマスしか見たことがない人には、ニジマスと判別できないような見た目をしています。
ところが、大きくなるとパーマークがキレイに消えてなくなり、側面に薄っすらとした桃色の筋と背中に黒い斑点が浮かび、見慣れたニジマスの模様が現れます。

ニジマスの食性

ニジマスの食性は獰猛(どうもう)で食欲旺盛、水生昆虫や水面に落ちた陸生昆虫、小魚などを捕食します。他の渓流魚や、ニジマスの卵も食べてしまうことがあり、その貪欲さが目立つ。

この食性の荒さや、生育環境の幅の広さから「世界の侵略的外来種ワースト100」、「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定されており、日本でも滋賀県や佐賀県などでは移植禁止の条例が制定されているほど。

他の都道府県でも、捕獲可能な大きさや期間が指定されています。

ニジマスの養殖や品種改良

先程もお伝えしたように、ニジマスは適応できる水温や水質の幅が広く、かつ、身が美味しいという点から、積極的に養殖が行われています。
ニジマスは、ある程度水温が高くても問題がないため、山岳地帯でなくとも養殖できるので養魚場を作りやすいという点も養殖が盛んに行われる理由。
また、ニジマスは病気に強いという点があり、養殖に最適な条件が揃っています。

近年では、海水での養殖も積極的に行われており、品種改良が進んでいるようです。

ニジマスの3倍体

北海道では3倍体のニジマスである大型のニジマス「ドナルドソン」が有名です。
3倍体とは、卵が受精した段階で、温度や圧力、薬などで刺激を与え遺伝子異常を起こしたものを指します。
3倍体の個体は、通常の個体よりも大きくなる特徴がありますが、成熟しなくなるという特徴も。
このことから、3倍体の個体は卵を産まずに成長できるため、美味しい肉質のまま成長が可能です。

3倍体での養殖はイワナやヤマメ、ブラウントラウトなどとの交雑も交えて各地で研究されています。

静岡県伊東市の松川湖では、2020年よりドナルドソンの放流を始めました。自然湖への本格的な放流は国内でも珍しいそうです。釣り場案内など詳しい情報は伊東市松川漁協公式サイト(つりチケ)よりご覧になれます。



ニジマスの食べ方

ニジマスの旬は春から秋と言われていますが、通年通して食べることが可能です。
ニジマスの身は、非常にたんぱくで、クセのない味をして食べやすいのが特徴。
ニジマスの一般的な料理というと、下記のようなものがあげられます。

・塩焼き
・ホイル焼き
・甘露煮
・フライ
・燻製
・ムニエル
・刺し身

↓ニジマスの刺し身

引用元:photoAC

淡水魚は生のまま食べるのは寄生虫の問題があり危険と考える方も多いかもしれません。
しかし、ニジマスの場合、寄生虫対策をしている環境では、刺し身でも食べることが可能です。
ですので、管理をしっかりとしている養鱒場であれば、刺し身で食べられるので、気になる方は調べてみてください。
天然のニジマスを刺し身で食べるのは、あまりオススメしません。

1皿100円などの安い回転寿司のサーモンは、ニジマスで代用されている場合が多く、あなたもニジマスの刺し身を知らない間に食べているかもしれません。
ニジマスは白身の魚ですが、エビなどの「アスタキサンチン」を多く含むエサを与えると身がサーモンのようなオレンジ色になります。

ニジマスの釣り

ニジマスは、淡水魚の中でも比較的大型になり、荒々しい食性をしているため、釣りの対象魚としても人気です。
野生、または野生化したニジマスは引きが強く、大物は釣り人の憧れとなっています。

ニジマスが釣れる釣り場の多くが、管理釣り場や漁協の管理する河川である場合が多いため、ニジマスを釣る場合は遊漁券が必要でないか確かめてから釣るようにしましょう。
ニジマスが釣れる釣法は、いくつもありその一例が下記の通りです。

・エサ釣り
・フライフィッシング
・テンカラ
・ルアー

エサ釣り

エサ釣りでは、延べ竿に目印とオモリ、マス針を取り付ける仕掛けが一般的です。
エサはブドウ虫やイクラを使うことが多く、場合によってはミミズや川虫なども使われます。

フライフィッシング

フライフィッシングはイギリスで発祥・発展してきた釣りで、その場その場に生息している虫に合わせた「フライ」と呼ばれる疑似餌を使用した釣りです。
陸生昆虫を模した、水に浮かぶ「ドライフライ」や、水生昆虫を模した、水に沈める「ウェットフライ」などを用いて、ニジマスを狙います。
背丈ほどのロッド(竿)にリールを取り付け、フライラインと呼ばれる糸の重さを利用して「フライ」と飛ばして、釣りをします。

テンカラ

テンカラはフライフィッシングと似ていますが、フライフィッシングとは違いリールが付いていない延べ竿を使用します。
テンカラの場合も、昆虫を模した疑似餌である「毛鉤(けばり)」を使用しますが、フライフィッシングの「フライ」よりも簡素な作りをしたもののことが多いです。
近年では、テンカラにフライフィッシングの毛鉤を用いる人も増えてきており、釣り方の幅が広がっています。

ルアー

ルアーは、魚の形を模した、金属や樹脂でできた疑似餌を使って釣りをします。
ニジマスを釣るのによく使われるルアーは、「スプーン」や「ミノー」など。
ルアーでの釣りは、川幅が広いところでも釣りがしやすく、深い場所も狙いやすいので大物が出やすいという特徴があります。

↓フライフィッシングで釣り上げたニジマス

引用元:pixabay

ニジマスを釣る場合に注意してほしいのが条例です。
日本では都道府県により、ニジマスの移植や、漁の期間などが規制されている場合があります。
ニジマスは外来生物法で要注意外来生物に指定されていることもあり、滋賀・佐賀県では移植禁止とされています。
釣り上げたニジマスを別の河川にリリースすることは条例違反となりますので注意してください。

ニジマスは食べて良し釣って良しの魚

ニジマスは他の淡水魚に比べて、大型になりますが、美味なのが特徴です。
様々な養魚場で飼育されていますし、釣りが苦手な方でも管理釣り場では簡単に釣り上げられます。

ですので、釣りをしたことがない方にもおすすめできる魚です。
そして、釣り上げた魚はその場で食べることができる場合も多いので、ご家族を連れて管理釣り場に赴くというのもおすすめ。
興味があれば、ぜひ、管理釣り場へ行ってみてください。




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