2019.06.25

能登半島周辺の里川でテンカラ釣り

中田 北斗

こんにちは、テンカラ釣り師で、つりチケマガジンライターの北斗です。

私は以前、奈良県に住んでいましたが、5月の末ごろに石川県の能登半島へと引っ越しました。

近所で渓流魚と遊べる川がないかと調べていましたが、石川県では海での釣りが主流なようで、釣れる河川の情報も少なく、自分の足を使って釣れる河川を探すことに。
能登半島での釣りスポット探しは、釣りの基本である「情報収集」「自分の足を使ってポイントを探す」ということの大切さを改めて思い返すいい機会となりました。

今回は、能登半島でのスポット探しと釣行の結果をお伝えしていきます。

能登半島は漁協が管理していない河川がほとんど

能登半島では、海に囲まれているため、あまり渓流釣りは主流ではないようです。

渓流釣りをされる方は、手取川や庄川などのもっと山深い渓流へと遠征して釣りにいかれるそう。
このような背景があるからか、能登半島での渓流釣りはメジャーではなく、ひっそりと楽しむ方が多いようで、ほとんどの河川で漁協による管理がされていません。
また、能登半島の渓流は河川の長さが短く、漁協が管理するほどの長さが無いというのも要因の一つでしょうか。

豊かな海に囲まれているので、わざわざ狭い渓流で釣りをしなくてもいいというのが一番の要因かもしれません。
実際海は豊かで、海岸には釣り人がよく立っています。

釣れる河川は自分で探す

釣りの基本は、「情報」「自分で行ってって確かめる」ということに尽きます。
ですが、今回の場合はインターネットなどで調べてもほとんど情報がなく、釣れる河川というのを探るのも困難な状態でした。

唯一見つけた情報源を頼りに、釣り場探しに出掛けましたが、渓流魚が住めるとは思えないようなヘドロの溜まった河川だったことも。
釣りは情報の「鮮度」というのも重要なのだと痛感した瞬間でした。

そのときに釣りに行った河川では、ダムができてからヘドロがたまりはじめて、下流域では魚があまり住めないような河川になってしまったとのこと。
ダムができてしまうと底の泥を跳ね上げてしまい、ダムよりも下流の川がヘドロにまみれてしまいます。

こういったダムは、少なくとも渓流魚にとっては天敵で、いくつもの河川でダムができてから渓流魚がいなくなったという報告が。
便利になるのはいいものですが、渓流釣り師としては渓流魚がいる河川を大事にしたいという思いが強く、残念に思います。

とにかく、渓流魚に出会うためには、足を使うしかないような状況だったため、グーグルマップを使って手当たり次第にいってみたい河川をGPSにマーキング。
マップにマーキングしておけば、ナビ機能を使ってすぐに近くの道路まで案内してくれるのでグーグルマップは便利です。
航空写真も見られるので、現場の状況もざっくりと把握できるのでとてもおすすめ。

航空写真を見ていると、どんな釣りができるのか想像してしまうので、とてもワクワクしてしまいます。

思わぬ出会い

グーグルマップで、いくつかの河川をマーキングし、妄想を膨らましていたころでした。
近所の農家民宿をされている方と食事に招待されたときに、週末漁師をされている方から、渓流釣りスポットの情報をいただきました。

少し古い情報だったので、現在はどうなっているのかわかりませんでしたが、自分で探した河川よりよりは信頼できる情報です。
そして、能登半島ではヤマメしかいないとのことでした。

その方は、いわゆる「チョウチン釣り」でブドウ虫をつけて釣りをされていたそうなので、テンカラ竿を振れるだけのスペースが有るのかわかりません。
しかし、いってみないことには始まりませんので、さっそく翌日に、情報を頂いた河川へといってみることにしました。

こんな里川で釣れるの!?

翌日現場にいってみると、その河川はコンクリートで舗装された小さな里川でした。
河川の左右は田んぼで、まさに里川そのもの。

 

 

この川は平均的な水深は30cmあるかないかぐらいの浅い川で、本当にヤマメがいるのかなと思ってしまったほど。

竿を振りはじめると、すぐに反応がありますが掛けてみると「カワムツ」。
「君はお呼びじゃないんだ」とすぐにリリース。再び竿を振るとすぐにまた反応があります。

 

またカワムツかなと思いきや、小さなヤマメがかかってくれました。

あっさりとボウズは回避できたし、なにより魚がいるということがわかりました。あとは大きな魚を狙ってとるだけ。
毛鉤(けばり)は8番を使用していたのですが、こんな小さいヤマメでもかかってくれます。渓流魚は食欲旺盛でたくましい。

小さなヤマメの猛攻

その後もどんどんと釣り上がっていきますが、少し深くなっていて流れがゆっくりなところではほとんどのポイントで反応がありました。
20cmあるか無いかのヤマメが、どんどんと毛鉤へアタックしてきます。

こういうときには、短い仕掛けを使うことで、手返しよく魚を釣り上げることが可能です。
長い仕掛けを使っていると、取り込みに時間がかかってしまいますが、短い仕掛けだとすぐにタモに入れることができるので楽チン。
今回は竿のしなりも考慮して、竿尻よりも少し短いくらいの仕掛けを使っていました。

深場にはやっぱり良型

川が大きく曲がっているポイントでは、ほとんどの場所で水深のあるよどみがあります。

他の深場よりも水深のあるポイントは、大きな魚がついている可能性が高いので、毛鉤を流す回数を増やし、少しだけしつこく攻める。
流れの筋の下流側から少しづつ釣り上がっていき、ポイントを1匹釣り上げただけでだめにしてしまわないように注意して毛鉤を流れの筋へ入れていきます。

小さなヤマメが下の方でかかりましたが、まだ本命ポイントにはいたっていなかったので、いよいよ核心部毛鉤を入れる。
すると、ラインがピタッと止まったので、バシっとアワセます。

「びゅぅぅ」とレベルラインが鳴って、魚が走り、良型の引きが。
よく走り、今日一番の引きで楽しませてくれたのは、ピカピカの26cmヤマメ。

 

20cmに満たない大きさ魚が続いていたので、喜びを噛み締めました。

堰堤(えんてい)はパラダイス

釣り上がっていくと、今日の一番の大場所「堰堤」に行き当たりました。

 

 

堰堤は遡上することが難しいので、魚がたまりやすいポイントです。
そして、水深も深いことが多く、夕方は大物がヒットする可能性も高い。

堰堤は手前から手当り次第に毛鉤を打ち込んでいき、少しずつ前にすすんで行くのがポイント。
いきなり核心部にキャスティングするような釣りはもったいないので、手前から順番に打ち込んでいくのがおすすめです。

2つの滝があり、その2つが合流する深いところは魚が沢山溜まっていそうだと思っていましたが、正解でした。
毛鉤を沈めると何度も小ぶりのヤマメが食いついてくれます。
しかし、この堰堤ならもっと大きな魚がいるはずと、滝の中に毛鉤を入れて、水の深いところへと毛鉤を沈めると…

 

本日一番の大物28cmのヤマメ。
先程釣り上げた26cmのヤマメ程は引きませんでしたが、立派なヤマメ。まるで大きな川の本流ヤマメのような体高をしています。

ヒレもピンピンでキレイなヤマメです。
この清々しいくらいに美しい。

 

 

このあとも魚は出続けてくれましたが、30分ほどすると魚の反応がなくなったので、本日はここで納竿。

午前中のみの釣りとなりましたが、多くのヤマメが釣れてくれました。

普段はプレッシャーの高い釣り場で釣りをすることがほとんどだったため、ピュアな渓流魚と釣りをするのは非常に楽しくありました。
しかし、こういったプレッシャーの低い釣り場も楽しいのですが、スレた渓流魚相手にどうやれば釣れてくれるのか考えるのが好きな自分もいます。

色々な川で、違った渓流魚の反応が見られるのも楽しく、魚の模様や顔つきも川ごとに違ってくるのが渓流魚の面白いところです。

次回はどこの川にいこうか、今から楽しみで仕方ありません。

【この筆者の記事】